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コラム

2016年05月11日

外国(とつくに)<心は言葉を越える> 連載4

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四月の半ば、世界一周クルーズのシンガポールからモーリシャス間に乗船して来ました。仕事とはいえ、海外に出ることは日本を外から見ることが出来、大変ありがたいことです。海外へ行くには船しかなかった時代に、港に着いて、初めて異国を目にした人達は何を感じ、何を思ったのでしょうか?

シンガポールの客船ターミナルは、各国から海に浮かぶビルのような巨大な豪華客船が入港する所です。船が港に着くと、一気に何千人という先客が下船し、ターミナルは多言語に溢れて独特の香りに包まれ、旅の臨場感も増し、気分も高揚していきます。ここから入国カウンター通過のために、いくつもの長い行列が出来き、〈とつくに〉とのおつき合いの始まりになるわけです。

荷物を置いたまま座り込み、往来の邪魔になっても平気な人、大きな声でしゃべる人、列を無視して割り込む人、またそれとは逆に静かに本を片手にしている人、目が合う相手に優しい微笑みを投げる人など、お国柄の違いを肌で知る最高のゲートとなります。

私達日本人といえば、前の人の後に付いてきっちり並び、文句も言わず大変おとなしい国民です。日本人は並ぶという行為に慣れているのですが、その後姿に「律儀」で「生真面目」という先人からのDNAを痛感し、誇りにさえ思いました。

知らない者同士、まして異国においては回りの人に迷惑、そして不愉快な思いをさせないのがおつき合いの第一歩です。

行列の先のカウンターまで来ると、今度は他の国の方はそれぞれに自国の言葉で、こんにちは、ありがとう、ごきげんようなどの言葉を交わしています。

日本人はどうでしょう……。うつむいて恥ずかしそうにしていたり、小さな声でなにか言っていたり、もじもじしながら立ち去ったりと、これも日本人の特徴の一つです。海外旅行が当たり前になった現代こそ〈とつくにつきあい〉も見直したいところです。言葉が通じなくても「こんにちは」という美しい日本語はどんな時も何処の国でも「心」があれば響き通じ、相手を思う気持ちがあれば言葉を越えて伝わるものです。

海外に行くという事は、私達一人一人が小さな民間外交官でもあります。その昔、先人達が辞書やコンヒューターもない時代に、異国の人達と上手く付き合い平和を築き挙げた知恵と工夫を受け継ぎ、新しい〈とつくにつきあい〉を考え、より良い日本を作り上げる責任があるように思います。

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酒井 悦子
  • 伝統芸能コーディネーター
  • 筝曲演奏家

幼少より生田流箏曲を学び、現在は国際的に活躍する箏演奏家。

箏の修行と同時に、美術骨董に興味を持ち、古物商の看板も得る

香道、煎茶道、弓道、礼法などの稽古に精進する一方で、江戸文化の研究に励み、楽しく解りやすくをモットーに江戸の人々の活き活きとした様子と、古き良き日本人の心を伝えている。

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