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コラム

2016年03月06日

助け合いの精神<共生こそ日本再生の柱>連載2

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1700年代はじめ、江戸の人口は百万人に達し、人口の半分が町人で今の東京より狭い範囲に人々は暮していました。

また、鎖国をしていたとはいえ、世界の学問や知識が対馬、長崎を経て江戸に入り、中期以降は諸外国から研究者なども訪れていました。さらに参勤交代で全国各地からもたらされる習慣や言葉が混じり合い江戸の町は異文化の坩堝となり、多種多様の人々が生活し、商いをして大変イキイキと活気のある町でした。

そのため、やもすれば奪い合い、争い事も生じたでしょう。だからこそ皆が気持ちよく暮らしていくために、相手を尊重し、知らない人にも失礼のないように互いを思いやり、助け合う相互扶助の精神が根付いていったのです。まさに「共存の哲学」そのものです。

たとえば江戸前。よく言う江戸寿司の江戸前ではなく、江戸城云々のフロントの意味でもなく、江戸手前、つまり江戸講中皆のものという意味で、川の水、海の塩、魚、空気、木々など生活にかかわる必要で大切なものを全て皆のものと考えていた……ということです。

たとえば江戸前。よく言う江戸寿司の江戸前ではなく、江戸城云々のフロントの意味でもなく、江戸手前、つまり江戸講中皆のものという意味で、川の水、海の塩、魚、空気、木々など生活にかかわる必要で大切なものを全て皆のものと考えていた……ということです。

当時の人々にとって「共生」とは当たり前のことで、その反対概今この瞬間の私達が生活している日本の上チアを考えますと、大震災で被災された方々、高齢化社会の人間同士、赤の他人同士でも助け合って生きていかなければならない「共生」、まさにその時ではないでしょうか。念には「共倒れしない」という言葉が生きており、そうならないための考え方、身のこなし、実際の行動が江戸しぐさのひとつでありました。

今この瞬間の私達が生活している日本の上チアを考えますと、大震災で被災された方々、高齢化社会の人間同士、赤の他人同士でも助け合って生きていかなければならない「共生」、まさにその時ではないでしょうか。

合理的で美しく、人にやさしいここ一発の切り札でもある江戸しぐさを、ポンポンと気前よく、惜しみなく行動に移す時だと私自身痛感する毎日です。

江戸の人々が平和に生きるために、物理的、精神的いざこざが少なくなるよう心得を説き、言葉使い、しぐさ、付き合い方にも工夫を凝らした知恵に学び、街を守る、国を守るという気持ちを強く意識した「共生」こそ、今の日本再生の大きな柱と成りえるのかもしれません。

「飛び出ししぐさ」とは、家事の多い江戸の町で火災が起きた時、身体を張って迅速に延焼を食い止め、扶助活動にあたったものです。

血縁関係にとらわれず、生活年齢に左右されない、と共に助け合う江戸の共生意識を常に心に留め置き、自分にできることは何か?と、問い直す時のように思います。

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酒井 悦子
  • 伝統芸能コーディネーター
  • 筝曲演奏家

幼少より生田流箏曲を学び、現在は国際的に活躍する箏演奏家。

箏の修行と同時に、美術骨董に興味を持ち、古物商の看板も得る

香道、煎茶道、弓道、礼法などの稽古に精進する一方で、江戸文化の研究に励み、楽しく解りやすくをモットーに江戸の人々の活き活きとした様子と、古き良き日本人の心を伝えている。

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