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コラム

2016年02月06日

はじめましてのごあいさつ 連載1

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私が生まれたのは、中央区入舟町。まさに江戸の街中です。暮らして来たのは別な場所ですが、入舟町は母の実家で私にとっては第二のふるさとです。あの辺りは戦争で焼けなかったので、子供の頃は長屋も残っていたし、乾物屋、下駄屋、紺屋、小間物屋などがあり、落語に出でくるような女将さんが居たりと、まだまだ江戸の風情が残っていました。

母の実家も商売をしていましたので、今から思うと江戸の商人気質のようなものもあり、明治生まれの曾祖母が全てを取り仕切っており、とても厳しい人でした。布団を打ち直しに来た職人さんの仕事ぶりを、目を光らせて見ていたのが印象的でした。そんな曾祖母の使いで行く日本橋の騒めきと賑わいは広重の描く江戸百景を思わせ、江戸からのれんが続く老舗の接客は、子供の私に対してもとても丁寧なもので、お使いに行くのが楽しみでした。江戸は私の身近にあったように思います。

徳川家康が江戸を開いて400年と少し。その関に東京と名称を変え、近代国家の首都への道をたどり、関東大震災、東京大空襲という出来事を経るなど、世界の大都市でこれだけ激しい変化に見舞われた所はないと思います。

街の様子は一瞬で変わり、人々の暮らしは一新されて、江戸の当時を偲ばせるものはあまり残っていません。それでも、江戸の人達からの『置き土産』は私達の生活の中に息づいているものも沢山あります。百万人の人口を数えた江戸。そこに暮していた様々な階級の人達の心意気や知恵、生活習慣、年中行事などを現代に蘇らせ、昔の風を今再び皆様の元にお届し、江戸の良さを味わっていただきそして、日本人としての誇りを次の世代へ受け渡して行きたいと思います。

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酒井 悦子
  • 伝統芸能コーディネーター
  • 筝曲演奏家

幼少より生田流箏曲を学び、現在は国際的に活躍する箏演奏家。

箏の修行と同時に、美術骨董に興味を持ち、古物商の看板も得る

香道、煎茶道、弓道、礼法などの稽古に精進する一方で、江戸文化の研究に励み、楽しく解りやすくをモットーに江戸の人々の活き活きとした様子と、古き良き日本人の心を伝えている。

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