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2017年12月07日

ひとつのお膳の中にさまざまな香りと風味を/精進料理研究家・藤井まりさん(2)

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力のある旬の素材を「五味、五色、五法」で料理する

「五味というのは甘味、辛味、酸味、苦味、塩味。五色は、白、黄、赤、青、黒。五法は、生、煮る、蒸す、揚げる、炊く(煮る)という5つの調理法のことです」それが精進料理の基本。

「五味には、もうひとつ”淡”という考え方が加わります。単に薄味ということではなくて、すべての味覚を含んで全体が調和していること。バランスがとれたものがいいとされるんですよ。”淡に真味あり”と夫も言っていました。ひとつのお膳の中に、さまざまな香りと風味があって、初めて満足するんですね」

前の記事「食べるとほっとする。精進料理の心/精進料理研究家・藤井まりさん(1)」はこちら。

その他にはどうしたら?「素材の持ち味を引き出します。野菜なら、皮やへたまでできるだけ捨てずに使って”一物全体”を心掛けます。また、地元で育った力のあるものを使います。この”身土不二”の考え方は、地産地消が叫ばれるいまの時代にマッチしていますよね」

味付けのコツは?「調味料の使い方。素材に味を加えるのではなく、持ち味を引き出すために使うと意識するようにしています」なるほど、そう思えばおのずと調味料の量が減りそうです。

「おいしくて、しかもできることなら病気にならない食べ方がいい。私は食養生も勉強しました。父が大腸がんで亡くなったんですけど、どうしてがんになる人とならない人がいるのかなと勉強してみて、体にムリなものを食べることだなと気づきました。精進料理は伝統的な和食の一ジャンル。日本人の昔からの知恵が詰まっていて、体に負担がかからず優しいんです。”心身一如”。心も身もひとつのごとく、つながっていますからね」

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愛用しているのは日本の代表的な発酵調味料であるみそ、しょうゆ、みりん、酢。それに油と天然塩。「砂糖は使いません。糖質を避けたいからではなくて、使わなくて済むから。食材が持っている甘味で十分なんです」。

取材・構成・文/飯田充代 撮影/木下大造


藤井まり(ふじい・まり)さん

1947年北海道生まれ。神奈川県稲村ケ崎で「不識庵」を主宰。精進料理の指導にあたる。1992年には中国に留学。著書に『旬の禅ごはん』(誠文堂新光舎)ほか。


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