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2018年11月07日

言葉と人柄~「没イチ」なんて造語、辞書に載るの?。<市田ひろみ 連載30>

「麻央は旅立ちました……」

市川海老蔵は幕間に設けられた記者会見で、一言一言、言葉をしぼり出すように、愛する妻の最後を語っていた。多くのファンが、麻央ちゃんが元気になってくれることを祈っていたが、幼い二人の子供を残して逝った。

海老蔵さんは、死亡・死去など、紋切型の言葉を使わず、「旅立つ」という、涙で見送るそのままの表現であった。

歌舞伎の世界の人は礼儀・マナーは当然だけど、言葉使いが美しい。

 

この頃、テレビでも漢字の読み・書きのクイズがあって、漢字の将来のためにも有効なアイデアだ。

文字は生きものだから、使わなかったら消えてしまう。

平成18年、『ニッポンの名前』(講談社)を出した時も、すでにルビを打たないと読めないとおもうものがかなりあった。

 乾物 ホシモノ?(ひもの)

 こけら落とし (こけらおとし)

 出汁 デジル?(だし)

もはや常識といわれるものさえ、若者達には縁がない。笑っているあいだは良いが。

 

今朝、テレビをふと見たら「夫を殺したいと思ったことがあるか」という街頭インタビューだった。こんなテーマをつけて良いのか。

初めて聞く言葉が出て来た。夫や妻を失った人のことを「没イチ」(ぼついち)という造語が使われていた。この言葉は一時的な現代用語なのか、或いは将来、辞書に載るような言葉になるのか、今のところわからない。伴侶を失った人に対する、もっと暖かい、やさしい表現は無いものか。

その時代に生きる人の感性がしぼりこんでゆくものだろう。

 

7月、大きな話題になったのが、豊田真由子だろう。自分の秘書に対する暴言・暴行だ。

 「このハゲ」

 「違うだろ!」

 「死ねば!!」

どなりつけている間も、暴行の音。どなりつけているのが自民党の国会議員だ。なんと東大卒、ハーバード大卒。うらやましい経歴だ。

ばれたらすぐに、目下入院中?どうしてこんな人が国政を動かす議員なのか。

暴行中からミュージカル調の歌になったり、何度もテレビでこの事件は流れ、止めようもなく、世界に知られてしまった。恥ずかしいことに、日本の女性国会議員にこんな人がいるという証明になった。公人としての自覚がない。私達が信用して投票する一票の重さを考えてほしい。

それにしても豊田氏、まだ議事堂にいるということか?

女性が社会で活躍してくれるのはうれしいことだ。有能な女性が海外でも活躍している。

人間として教養のある、恥ずかしくない人が社会進出をしてほしい。そういう女性達が、日本女性のイメージとなるのだから。それには一人一人が教養ある人間として成長してゆくことだ。学歴のみでなく、容姿のみでなく、どこに出ても日の丸を背負っていることを忘れてはならない。

何といっても、女性の活躍の場はますます広がっているのだから。期待していたい。

(老友新聞本紙2017年9月号に掲載された記事です)

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市田 ひろみ
  • 服飾評論家

重役秘書としてのOLをスタートに女優、美容師などを経て、現在は服飾評論家、エッセイスト、日本和装師会会長を務める。

書家としても活躍。講演会で日本中を駆けめぐるかたわら、世界の民族衣装を求めて膨大なコレクションを持ち、日本各地で展覧会を催す。

テレビCMの〝お茶のおばさん〟としても親しまれACC全日本CMフェスティバル賞を受賞。二〇〇一年厚生労働大臣より着付技術において「卓越技能者表彰」を授章。

二〇〇八年七月、G8洞爺湖サミット配偶者プログラムでは詩書と源氏物語を語り、十二単の着付を披露する。

現在、京都市観光協会副会長を務める。

テレビ朝日「京都迷宮案内」で女将役、NHK「おしゃれ工房」などテレビ出演多数。

著書多数。講演活動で活躍。海外文化交流も一〇六都市におよぶ。

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