今月は「日は暖かなり江南の春」ほか１点が特選に選ばれました。（編集部）

特選

八木　宇香

読み＝日は暖かなり江南の春
「暖」字と「江」字との間に余白を多く取りすぎて布置が悪かったのですが、それを補う結体の良さと掠れた鋒先は生き生きとリズムに乗り、律動感・生命感があり春情・春嬉といったものを律勁なる線条で表現されています。

亀村　游石

読み＝書聲午夜清し
清らかな夜にこの方もよく学書されているのでしょう。
「午」字の団子となってしまった線が気になりますが、「聲」字の終筆を長く引き、一行目を二文字とした所に工夫があります。終筆の鋒先は右側に流したことが線の切れ味もバランスも良くして、伸びやかで悠々としたリズム感が生じ清雅な作となりました。