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医療と健康

2017年01月27日

足の爪が白濁。その原因は…?

足の爪が白く濁っています。

66歳の男性です。足の爪の濁りについて教えてください。

私は、小さな工場で車の部品を作る仕事をしており、その際、履物は自由で、サンダルのようなものを履いておりました。

ところが、安全の為に、きちんとした靴を履くようにと決まりまして、それ以来革靴を履くようになったのですが、しばらくすると足の爪が白っぽく濁ってきました。

嫁は水虫ではないかと言いますが、かゆみも痛みもありません。爪に水虫ができるわけがないと笑っていましたが、なかなか治りません。爪の濁りは、靴が足に合わない為でしょうか。それとも妻の言うように、水虫なのでしょうか。

答え

水虫菌が爪に感染
皮膚科で診察を

爪が白く濁るという事でのご相談です。爪が白く濁るという状況では、奥様が心配をされている通り、「爪白癬」と呼ばれる爪の水虫であることがほとんどです。

爪白癬は、爪そのものにはかゆみや痛みなどの症状が現れずに、爪が白くなる、爪が分厚くなるというのが典型的な症状です。

基本的に、一般的な足の水虫がある方に、一緒に出てくるということが多いです。おそらく仕事場での履物をサンダルから革靴に替えたことにより、通気性が悪い、蒸れやすい、汗がたまるといった、水虫が繁殖しやすい環境が整ってしまい、本来少しだけ存在していた水虫菌が、爪にも感染して、繁殖してしまったのだと思われます。

家族感染に注意

そのまま放置しますと、爪を切った際などに、爪切りや爪の切りくずなどから、ご家族に感染してしまう恐れもございます。

そのため早急に治療を進めなければならないのですが、爪白癬というものはなかなか厄介です。薬を塗っても、爪ですので、薬剤が浸透しないため、普通の水虫の塗り薬では治りません。飲み薬などを使った専門的な治療を行なう必要がありますので、一度皮膚科へご相談ください。

爪白癬以外で爪が白く濁る病気というものを考えますと、可能性としては低いのですが、爪の根元の、爪を作る元となる細胞に異常が起こり、その部分だけが縦線状に白くなるという事があります。

あるいは、内科の病気ですと、肝硬変によって爪が白くなるということもあります。しかし肝硬変の患者さんの場合、肝臓の数値が高くなる、黄疸が出る、腹水が出るなど、そのような症状も一緒に現れることが一般的です。万一、肝硬変の症状に心当たりがある場合には、一度チェックをしておいた方が良いでしょう。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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