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2017年05月29日

高齢者に多い睡眠障害~3人に1人が「日中の眠気」と「夜間中途覚醒」に悩んでます!

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ひとことで睡眠障害といっても、その悩みは多岐にわたり、原因や解消法もそれぞれ異なるものであるが、その中でも特に、「日中の眠気」「夜、目が覚めてしまう」という症状は誰もが一度は経験したことがあるのではないだろうか。

原因は睡眠から覚醒へ
切り替えのリズム狂う

厚生労働省が平成27年に行った「国民健康・栄養調査」のうち、「睡眠の質の状況」の結果によると、男女とも「日中、眠気を感じた」と回答した人の割合が最も高く、70歳以上の場合、32.6%、次に多いものが「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」が29.6%となった。およそ3人に1人が日中の眠気や夜間覚醒に悩んでいることとなる。

「サーカディアンリズム」という言葉をご存知だろうか。「体内時計」と言い換えると分かりやすいかもしれない。多くの動物・生物の睡眠や食事、細胞の活動やホルモン分泌などのリズムは約24時間の周期が保たれているというもの。人間もこの24時間のリズムで一日を過ごしており、植物やバクテリアなどもこのリズムを持っている。しかし、このサーカディアンリズムは「およそ」24時間であり、個人差が生じるため、たとえば完全な暗闇の状態で長期間過ごした場合、少しずつ周期がずれてきて、一日のリズムが23時間になったり、25時間になったりする。その「ずれ」を調整するために、リズムをリセットしてくれるのが、我々の脳の奥深くにある視交叉上核(しこうさじょうかく)という器官である。

朝目覚めたとき、朝日など、強い光刺激を見ることで、この視交叉上核が刺激を受け、睡眠状態から覚醒状態に切り替えてくれる。そしてその時点から、また新しい一日のリズムが刻まれるようになるのだ。

睡眠障害とは、この睡眠と覚醒のリズムが狂い、眠れなくなったり過剰に眠くなったり、あるいは睡眠中に異常が発生してしまう状態のことである。今回はそのうち、高齢者の睡眠障害の中でも多い「日中の眠気」と「夜間の中途覚醒」について説明しよう。

日中に眠くなるのは
ストレス、自律神経の乱れ

■日中の眠気
睡眠時間を充分にとっているはずなのに、日中どうしても眠たくなってしまう場合、「睡眠時無呼吸症候群」が疑われる。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう睡眠障害である。呼吸が止まることにより酸素が欠乏し、体に大きな負担がかかって脳が覚醒状態になり、眠りが浅くなってしまう病気だ。その結果睡眠不足となり、日中強い眠気や集中力の低下などを引き起こす。

呼吸をする際、空気の通り道となる上気道のスペースが狭くなり、呼吸が止まってしまう。首や喉の周りについた脂肪が原因であったり、舌の付け根の部分が眠っている間に落ち込んで上気道をふさいでしまったりすることが原因である。

睡眠時無呼吸症候群は、眠る前に晩酌をする人や、暴飲暴食をしてしまう人、高血圧の人、太り気味の人や首周りの太い人、下あごが小さい、あるいはあごが奥に引っ込んでいる人、歯並びの悪い人などがかかりやすいので注意して欲しい。

■夜間の中途覚醒
一度は眠りについたものの、夜中に何度も目が覚めるという人も多いのではないだろうか。高齢者には特に多い症状で、老化現象だから仕方がないとあきらめている人もいるかもしれないが、これも睡眠障害のひとつ「中途覚醒」である。先にサーカディアンリズムというものを説明したが、睡眠中にも、もっと短いリズムが存在する。それが「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のリズムである。

「レム睡眠」とは、比較的浅い睡眠で、体が眠っていても脳はある程度覚醒している状態である。夢を見るのはこのレム睡眠の状態であることが多い。一方で「ノンレム睡眠」は深い眠りで、脳も休息している状態であり、様々なホルモンの分泌や免疫機能が活性化れているという。

このレム睡眠とノンレム睡眠を90分ほどの周期で、一晩のうちに数回繰り返しているのだが、夜中の中途覚醒というものは、眠りの浅いレム睡眠の際に目覚めてしまうことが多い。

中途覚醒の原因で多いものは、ストレスなどによる自律神経の乱れ。自律神経には、体が活動的な状態で優位に立つ「交感神経」と、体がリラックスした状態で優位に立つ「副交感神経」とがあり、これら二つが無意識に切り替わっている。眠りにつく際には、体をリラックスさせる副交感神経が優位にならなければいけないが、精神的ストレスや疲労などで交感神経の方が優位に立ってしまい、レム睡眠の際に目が覚めてしまう。

自律神経の乱れ、ストレスを無くす、体を休めるということはもちろん、日常の生活習慣を見直すことで正すことができる。眠る前にはカフェインを含む飲料やアルコールなどを控えること。アルコールは寝つきが早くなるが、一方で眠りの質を悪くし、浅い眠りになってしまうので避けた方が良い。また、眠る前に強い光刺激などを目にすると自律神経を乱してしまうので注意しよう。

夜間の頻尿も一因

中途覚醒の原因で、特に高齢者に多いのは夜間頻尿である。頻尿は40歳を越える頃から症状が現れることが多い。

高齢になると排尿する際に用いる筋肉が過剰に働き、少量の尿が膀胱にたまっただけで尿意を我慢できなくなってしまうことがある。また男性の場合、前立腺肥大症によって膀胱の内壁の筋肉が分厚くなり、結果、膀胱にためられる尿の量が少なくなって頻尿の症状が現れる。

対処方としては、やはり眠る前の飲酒を控えること。単純に水分摂取を控えるだけでは、逆に脱水状態になることもあるので注意が必要。最近は症状を抑えるための薬もあるので、一度専門医に相談をしてみると良い。

ほかにも眠りを妨げる原因としては、布団や枕が体に合っていない、室温が高すぎる、低すぎるなどの環境による場合もある。また「眠れない」ということを意識しすぎても自律神経が乱れてしまうので、リラックスをすることが大切だ。(老友新聞社)

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