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2017年08月24日

脳の健康と「認知症」その症状と治療~「物忘れ」と「認知症」の違いとは?

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「街中で人に挨拶をされたが誰だか分からない」「何かの用事で席を立ったものの、何をするつもりだったか思い出せない」―こんな物忘れの症状を日常的に感じていないだろうか。長寿大国といわれる我が国日本であるが、出来る限り健康的に長生きをしたいと誰もが思うところである。そのためには肉体的な衰えを防ぐことも重要であるが、それと共に脳の衰えも防ぐことも肝要である。今月は脳の健康を保つ秘訣や認知症についての話をまとめてお伝えしよう。

簡単に見分けられる症状とは?

人の脳は20代が活動のピークで、その後は年齢を重ねるごとに衰えていくといわれている。しかし、脳は筋肉と同じように、トレーニングすればするほど発達をするものであり、毎日の努力や生活習慣の改善によって能力を維持することができるのだ。

単に「物忘れ」と言っても、さほど心配の要らない年相応の物忘れと、病的な物忘れ、いわゆる認知症の2つに分けられる。「年だから物忘れは仕方がない」と自身で判断し、放置してはいけない。単なる物忘れか認知症か、きちんと診断をうけて、治療が可能なものであれば早めに対処をし、改善、あるいは進行を食い止める必要がある。

年相応の「物忘れ」か、病的な「認知症」かは、その症状の出方に差があるため、簡易的に見分けることができる。その症状の差をまとめてみた。

自覚があれば「物忘れ」

まず物忘れの場合は自分自身で「忘れてしまった」と自覚があるが、認知症の場合は自覚が無くなってくる。また、物忘れの場合は、何かの出来事のうち一部分のみを忘れるなど範囲が狭いが、認知症の場合は出来事そのものを忘れてしまったりする。

そして物忘れの場合、何かヒントがあれば思い出すことが出来るが、認知症の場合はヒントが合っても思い出すことが出来ない。

認知症の場合は本人が自覚しにくいため、診断や治療を受けずに放置してしまう場合がある。家族がいるならば、普段の生活・行動をよく見て、心当たりがあるならばすぐに認知症の専門医の診断を受けるようにしたい。

「認知症」は3タイプ
そのうちアルツハイマー型が50%占める

認知症は「脳血管性認知症」と「レビー小体型認知症」、そして「アルツハイマー型認知症」の3タイプに分類することが出来、ひとつずつ説明しよう

■脳血管性認知症
認知症全体のうち約20%を占めるのがこの脳血管性認知症で、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって引き起こされるものである。脳の血管が詰まったり、血管が破れて出血することにより、脳細胞に血液がめぐらなくなり、脳の神経細胞が死んでしまうために認知症となる。

この場合は「まだら認知症」の症状が出ることが多く、一日の中でも調子の良いとき、悪いときがあったり、今、出来ていた作業が突然出来なくなったりする。

脳血管性認知症の場合は、元となっている脳血管疾患を治療し、これ以上症状を進ませないようにする必要がある。もちろん脳血管疾患は認知症の問題だけではなく命にも関わる病気なので、しっかりと治療する必要がある。

■レビー小体型認知症
こちらも認知症全体のうち約20%を占めているもので、男性に多い。レビー小体という特殊なたんぱく質が大脳皮質などに多量に蓄積してしまい、神経からの信号をうまく伝えられなくなってしまう病気である。

症状としては初期の段階から妄想や幻視を見ることが多く、たとえば誰もいない場所で「知らない人が自分の家の中に入ってきた」など、はっきりとしたリアリティのある幻を見る。また、歩きにくくなる、動作が遅くなるなどのパーキンソン症状も出やすい。

■アルツハイマー型認知症
認知症全体の約50%を占める病気で、女性に多い。その原因については詳しく解明されていないが、脳にアミロイドベータという特殊なたんぱく質が蓄積することで神経細胞が死んでしまい、徐々に脳全体が縮んでいき、認知機能障害になるといわれている。

症状としてよく知られているのは物忘れである。しかし、「年相応の物忘れ」とは異なり、出来事の部分的なことを忘れるのではなく、出来事をまるまる忘れてしまうことや、忘れていることを誰かに指摘されたとしても思い出せないのが特徴である。また今日の日付や今の季節が分からなくなってしまったり、よく知っている場所で迷子になってしまったりする。

手術・投薬で認知機能回復が可能な場合も
早期発見・治療が大切

さて、認知症という病はこれまで「治らないもの」というイメージが強かった。しかし手術を行ったり投薬治療をすることで、完全ではないものの認知機能を回復させたり症状の進行を遅らせることができる場合もある。

たとえば転倒などをして頭を強く打ちつけた後で、硬膜下で微量の出血を起こし、その出血が少しずつ貯まってしまう慢性硬膜下出血とう病気を発症することがある。すると脳の神経細胞が圧迫されて認知症の症状が出ることがある。このようなケースの場合、その貯まった血液を取り除く手術をすることにより認知症は治っていく。だからこそ早期発見・早期治療が重要となるのだ。

また、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では「ドネペジル塩酸塩」という薬など、いくつかの認知症に効果があるとされる薬があるのだ。ただし効果は人それぞれであり、副作用にも注意して使用する必要がある。

「物忘れ」を予防するには?

一方で、病気ではない年相応の「物忘れ」についても、できるかぎり予防、改善を図りたいものだ。そこで最後に、物忘れを予防するための「脳の若さを保つ」秘訣を紹介しよう。

▼何事にも関心を持ち感情を豊かにする
趣味はもちろん、日々の何気ない生活の中で見たり聞いたり、体験したことに興味を持ったり、感動したりしよう。

▼本を読んだり手紙を書く
つけっぱなしのテレビを、ただなんとなく見ているだけでは脳は刺激されない。自ら「読もう」という意識を持つこと。また手紙を書くことは手を動かすので良い刺激になる。

▼運動をする
運動は脳を活性化し、さらに老化も防ぐ。

▼サークルや老人会などに入る
人との交流が脳を活性化させる秘訣である。また地域活動に参加することで責任感もつき、さらにやりがいも得られる。

▼強いストレスを避ける
強いストレスは脳に悪影響を及ぼす。しかし完全にストレスが無い状態も良くない。適度なストレス、たとえば新しいことに挑戦したり、人前で自己紹介をするなど、適度に緊張することは脳を活性化する。

出来るところからチャレンジしていただき、健康寿命を延ばしていただきたい。(老友新聞社)

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