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2016年05月30日

「健康と経営のイノベーションを!!」 健康と経営を考える会がシンポジウム開催

健康経営は高齢者雇用に活路あり

これからの産業保健や保健事業について、既存の枠を超えてもっと前進させる方法はないか、予防医療や産業保健に携わる専門家らが検討し、平成25年5月に「健康と経営を考える会」を設立した。同会は健康保険組合や企業などが加盟し、健保や企業、行政や医師などを交え、健診結果分析と保健事業、データヘルス計画、コラボへルス、医療コスト抑制のための予防型医療などをテーマとして掘り下げた議論を行っている。そして去る5月26日、神保町の日本教育会館一ツ橋ホールにて第3回目となるシンポジウムを開催したので、その内容から基調講演の概略をお伝えしよう。

シンポジウムは厚生労働省大臣官房審議官(医療介護連携担当) 吉田 学氏、経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課課長 江崎 禎英氏、公益社団法人日本医師会副会長 今村 聡氏の挨拶にはじまり、日本航空株式会社取締役会長 大西 賢氏による『経営者のリーダーシップによる健康経営の実践』 、株式会社ミナケア代表取締役 山本 雄士氏の『医療イノベーションについて』と題して基調講演が行われた。

基調講演『経営者のリーダーシップによる健康経営の実践』
日本航空株式会社 取締役会長 大西 賢氏

 

大西会長はまずどのような取り組みでJALグループの企業改革を行ったかについて語った。

改革に必要なのは「外科手術的な事業構造の改革」と「内科治療的な内面構造改革」の2つの取り組みが必須であり、新たな企業理念とその達成のための具体的な施策を説明した。企業理念の中にある「全社員の物心両面の幸福」のためには「心身の健康」が不可欠とし、人財への投資を積極的に行い、社員・会社・健保が一体となって健康づくりに取り組んでいるという。

健康経営を進めるために実践している事例も紹介された。階段利用のすすめ、同社の健康管理部の職員が総出演する「本気のラジオ体操」の動画作成と配信、専属トレーナーによるストレッチ指導、「脱!メタボ塾課外授業」の実施、健診データからの的確なアクションなどの具体的な例は、どれも真剣さの中にユーモラスな雰囲気もあり、社員全員が楽しく取り組めているように伺えた。

講演のラストには元・プロ野球選手、メジャーリーガーの松井秀喜氏から、健康経営に携わる社員、企業、健保の方々への応援メッセージのビデオレターが流されるサプライズ演出もあった。

基調講演『医療イノベーションについて』
株式会社ミナケア代表取締役 山本雄士氏

山本氏はこれまで様々な業種に起きた「破壊的イノベーション」についての事例を紹介し、それをふまえて「破壊的イノベーションによる医療改革」がもたらすもの、必要な要素について説明した。医療業界のイノベーションは質の向上とコスト削減をもたらし、この双方を実現するには保険医療の再構築、医療業界の構造と機能の見直し、さらに他分野との協働、政府からの協力など、保険者、自治体・企業、医療業界、行政らすべてが連携して取り組む必要性があると語った。

基調講演の後には発起人でもある医療法人社団同友会理事長の高谷氏が座長となりパネルディスカッションを行った。会場からの質問も受け付け、閉会時間一杯までの熱い討論がされた。

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