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2016年11月09日

2016年10月入選作品|老友歌壇

一 席

保育器の中で伸びする孫なれば冷たきガラスに頬寄せて見る

福田 浩明

「頬寄せて見る」ガラスの冷たさに、まだ抱くことのできない小さな小さなお孫さんへのいとしさがより募ります。

二 席

曇天のオホーツク海は波白くかもめは飛ばず群れる砂浜

葛西 ヤヨヒ

飛ばない鴎に焦点を当てることで、曇天のオホーツク海の陰鬱な感じがよく表現されていると思います。

三 席

並び立ちもの言わぬ人等それぞれに見つめておりぬ朝の信号

荻野 徳俊

朝の通勤の風景でしょうか。赤信号で止まり、すぐにそれぞれの場所へ散って行く人達の束の間を掬い取りました。

佳作秀歌

脱け殻を勲章にして遊ぶ子の背に太陽の照りつけており

山岸 とし子

蝉の脱け殻でしょうか。命の終わった蝉と活き活きと遊ぶ子供の対比が効果的です。

わが好み知りたる娘らが贈りくれしポロシャツ今日も街に着て行く

松尾 勝造

娘さん達の気持ちが嬉しいのですね。「今日も着て行く」に嬉しさがにじみ出ています。

バイパスの土手に茂れる六本の葛の蔓這いゆくこの舗道まで

宮本 ふみ子

原作は「五本」でしたが、音数の関係で「六本」に直しました。事実とは少し違っても音数、リズムを大切にして下さいね。

古き巨き桜の樹より落ちし枝根元に供えて来春を待つ

金澤 忠男

古い枝は落ち、桜の幹の内部では新しい芽が育まれていることでしょう。

インナーの透けるも若さのしるしなり自転車漕ぐ娘颯爽と行く

秋山 みさ子

薄いシャツからインナーが透けて見えた事にも若さが溢れているようで、まぶしかったのでしょう。

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