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2016年05月03日

2016年5月入選作品|老友都々逸

天の位

夕日菜の花小籠を提げて
帰る母子の長い影

福田 浩明

五つの名詞が互いに邪魔せず、余韻を持った佇(ただずまい)の歌になっている。作者が幸せをよく感じているので母子(おやこ)の幸せが読者の心に深く響いてくる。

地の位

眠気さしたか針持つ指が
止まり丁字の香が匂う

大西 和子

丁字の花の香り漂うお部屋での針仕事。客観詠か主観詠かを読者に戸惑わせる嫌いはあるが、眠気さしたかも止まりも雰囲気の曖昧さを表現したものと採れば、淡紅色の落ち易い丁字の花さえ目に見えてくる。作者には重ねての再考を願う。

人の位

パンを焼く間の窓辺の風に
沈む夕日の美しさ

向井 智恵子

粉から焼くご家庭もあるようだがここでは購入したパンを焼いていると採る。暮らしの中のほんの短い時間に得る感動を捕えてリズムよく仕立てた。美しさはやや生(なま)な言葉だが、このようなゆとりの心が流れる人生を味わう技ではなかろうかと思わせる。

十 客

何かひと言言いたいままの
素振り残して去るおんな

王田 佗介

軒の氷柱の太くて長い
春が来る迄丈くらべ

葛西 ヤヨヒ

三寒四温の淡雪舞えば
そっと聞こえる花便り

手銭 美也子

昔 夫の晩酌相手
いつしか馴染んで旨い酒

岩崎 ますゑ

賞味期限が切れてはいるが
胸にしまってかびぬ恋

三橋 ユキ

兎小屋でも幸せ満ちてく
広い貴方の胸に住む

飛田 芳野

今日は暖ったかポカポカ陽気
虫も出て来る蝶も舞う

松本 タケ

春の気配につくしが目覚め
山で嬉しくケキョと鳴く

高木 まつ

里に氷雨の三月半ば
愛鷹連山雪化粧

勝亦 はる江

だらしないひと片づけお下手
物をタタミに置きすぎる

山田 浩司

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