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2020年09月04日

「噴水は光あつめて立ち上がり一気に落つる子等の背中へ」2020年9月入選作品|老友歌壇

老友新聞2020年9月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

噴水は光あつめて立ち上がり一気に落つる子等の背中へ

王田 佗介

「光あつめて」に、噴水のきらきらした飛沫の様子が凝縮されています。子供達の歓声までが聞こえてくる夏の一首。

二 席

きっとある湘南夏の夜空には銀河鉄道停車する駅

上田 昭子

宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』を読んだことがなくても、「銀河鉄道」というロマンあふれる言葉は夏の夜空への想像をかきたてます。

三 席

何とのう文の待たるる自粛の日々山桜散り木の芽ふくらむ

竹下 富子

季節から取り残されたような中、誰かからの手紙をあてもなく待つという気持ちは詩的共感を呼びます。

佳作秀歌

もぎたての初枇杷さげて友の来る登りて食みし里の木浮かぶ

大石 志津江

木に登って枇杷の実を食べた子供の頃が懐かしく思い出されます。そのご友人も、一緒に登った幼馴染なのでしょう。

照り霞む高島航路の白き船いつの頃から宝船と言う

櫓木 香代子

高島航路とは、唐津から長崎の高島へ車両を輸送する高速船の事のようですね。宝船と言われる程人々の憧れなのでしょう。船名「俊寛」は、又別の感慨を抱かせます。

帰り来て開けし座敷に蝉時雨その蝉時雨をまといまどろむ

岸 慶子

座敷を開けたとたんに蝉の声が襲うように聞こえたのですね。蝉時雨を浴びながら、暑さの中うとうとする気怠さが伝わります。

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