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2018年06月15日

「鳥帰る忘れて行きし赤い靴」2018年5月入選作品|老友俳壇

老友俳壇

老友新聞2018年5月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

鳥帰る忘れて行きし赤い靴

清野 佐和子

赤い靴は鳥が忘れていったわけではなく、去ったあとにあっただけです。それを忘れたと見た作者、赤い靴に北方へ帰る鳥への惜別の念をこめています。

抱き上げし幼児の瞳山笑う

鈴木 曻

「山笑う」の季語は春の山の明るい感じを言う季語で、山が笑っているのではありません。生き生きと輝く幼児の瞳に注目した作品ですが、この季語の本意をしっかり捉えています。

囀や読みかけの本膝に伏せ

糸井 榮

下五音の具体的描写がいいと思います。この場が即座に目に浮かびます。読書の疲れを癒すように鳥たちの声を聞いています。

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