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医療と健康

2019年01月04日

効き目にも差があるの?安価なジェネリック薬と普通の薬の違い

ジェネリック薬と普通の薬の違いを教えてください

70歳の女性です。ジェネリックという薬について教えてください。

私は数年前の健康診断で高血圧だと言われ、血圧を下げる薬を飲んでいます。

先日、いつも通っている病院で血圧を測り、薬の処方箋を出してもらったのですが、いつもの薬よりも値段が安い、ジェネリックという薬を購入してしまいました。

後から友人に聞いたところ、ジェネリックは人によっては効き目が変わることもあると話していました。

そもそも、ジェネリック薬とはどのような物なのでしょうか。お医者様の立場から、きちんと効くものなのか、教えてください。

答え

特許切れの「後発薬」で成分・効き目は同じ

今回はジェネリック医薬品についてのご質問です。ジェネリック医薬品は、テレビコマーシャルなどで馴染みもあり、すでに名前も浸透してきているかと思いますが、改めてご説明させていただきます。

新しく開発された薬というものは、その成分、製法などが特許によって守られていますが、特許の期限が過ぎると、開発したメーカー以外でも、同じ成分の薬を作って販売することができるようになります。このように、特許が切れた後に、他のメーカーが製造した薬を「ジェネリック医薬品」、あるいは日本語で「後発医薬品」と総称します。

基本的には、ジェネリックの方が値段が安いため、最近は医療費削減の目的のためにも、ジェネリックを使うことが推奨されてきております。それでも欧米での利用率が60~70%程なのに対し、日本での利用率はまだ20%程度のようです。

一番心配なのは、ご質問にもあるように、本来の薬と同じように効くのかという部分だと思います。薬の成分としては、本来の薬と同じものです。値段が安いからといって主成分の量や種類が変わってくるような事はありません。ただ、主成分を錠剤などにして、実際に服用する際には、その錠剤がどのように胃で溶け、吸収されていくか、その過程というのは、錠剤のコーティング技術や、添加物の加え方などで上手く調整をされています。その部分で、本来の薬とジェネリックとでは異なる場合もあるのです。

そのため、以前は薬の溶け方、吸収のされ方に違いが生じ、血中濃度の上昇の仕方も違うと言われたことがありますが、近年ではそういう部分も改善されてきていますので、基本的には同じ効き目が得られると考えて良いと思います。

しかし、長年飲み続けている薬には愛着もあるかと思います。薬の名前や、形が変わってしまうだけで、それを不安に思う人もいらっしゃるようです。たとえば精神的な部分に作用する薬の場合では、その薬が変わると思うだけで、不安が増したりすることも考えられます。もちろんそういう場合は、無理に変える必要はございません。
もし、主治医の先生が総合的に判断をして、ジェネリックに変えない方が良いと判断した場合には、そのように処方箋へ署名をする欄がございます。そこに署名があると、薬局でもジェネリックに変えることができなくなります。

そのような特別な場合を除き、基本的にはジェネリックを活用することがすすめられてきておりますので、迷っている方は、一度主治医に相談をされてみてはいかがでしょうか。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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