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医療と健康

2021年03月09日

通勤電車でお腹が痛くなる…過敏性腸炎の可能性

通勤途中でトイレに駆け込むことも

30歳になる息子の症状についてご相談をしたいのですが、時折お腹がゴロゴロ鳴ったり、お腹が痛くなって下痢をする体質で悩んでいるようです。

朝、会社に行く際に何度もトイレに入ったり、通勤電車に乗ってもお腹が痛くなるために、途中の駅で降りてトイレに駆け込むことがあるそうです。また、仕事の打ち合わせ中など、人前で腹痛が我慢できなくなり、そのたびにトイレへ行かなければならないようです。
家で普通に過ごしているときには、このような症状は出ないようです。お腹の病気なのか、それとも精神の病気なのでしょうか、教えてください。

答え

「過敏性腸炎」の可能性。不安、緊張など精神的ストレス関係。

今回は、たびたびお腹の調子が悪くなるという息子さんを心配する方からのご相談です。このような症状で一番考えられるのは過敏性腸炎という病気で、その名前を聞いたことがある方も多いかと思いますが、医学的には過敏性腸症候群といいます。

この病気は、腸にがんや炎症など、目に見えるような症状が現れたりはしないのですが、便秘や下痢などの便通異常を起こしたり、腹痛などの症状に悩まされたりします。自律神経の異常や不安、緊張などの精神的ストレスに関係していることが多く、20~40代の男性によく現れます。

あなたの息子さんの場合も、典型的な過敏性腸症候群の症状かと思います。大抵、便を出しますと症状は落ちつきますが、頻繁に起こるようですと日常生活に影響しますので困る方が多いようです。治療としては、食生活を改善したり、ストレスの要因を解消したりすることがまず重要になります。また、消化管の運動を調節する薬を使ったり、男性のみに有効な下痢が多い方向けの薬もありますので、一度消化器内科を受診し、そういった薬を試していただくと良いと思います。
市販されている薬でも、過敏性腸症候群の急な症状を抑えるための薬が売られておりますので、そういった薬でもご自身に効果があるようであればうまく利用してみてください。

本当に過敏性腸症候群であるならば、たとえば病状が進行してがんになるとか、炎症が起きて命にかかわるとか、そういった心配はありません。症状が改善されさえすれば問題ない病気ですので、過度に心配しないことが大切です。また、根本的にはストレスが原因になっていることが多いため、ストレスをうまくコントロールしたり、場合によってはメンタルクリニックや心療内科も受診してみるなどして、改善を試みるということも大切かと思います。

もし、症状が時折でなく、ずっと長く続くような場合には、他の腸の病気も考えられますので注意が必要です。
たとえば大腸の慢性的な炎症を起こすクローン病や潰瘍性大腸炎という病気でも、下痢や腹痛といった症状が出ます。この場合はもっと強い症状が持続的に表れ、あまり酷いと体重が減少したり、血便が出てしまったりもします。そのような場合には、決して放置せずに、採血による検査や、内視鏡検査で大腸の粘膜を直接観察して、炎症がないかどうかをきちんと検査をするようにしてください。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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