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2020年02月05日

「燃え上がる夕陽を残し晩秋の富士の裾野に落ちゆく夕日」2020年2月入選作品|老友歌壇

老友新聞2020年2月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

燃え上がる夕陽を残し晩秋の富士の裾野に落ちゆく夕日

勝亦 はる江

柄の大きな歌。「夕陽を残し落ちゆく夕日」に工夫があります。夕日が落ちていく間の残像としての夕陽が作者に見えたのでしょう。

二 席

箒目に楽譜のような落ち葉あり秋のおとづれ告げる寺庭

萩野 徳俊

きれいに残された箒目に落ちた葉を「楽譜のような」と表現しました。作者独自の発見です。

三 席

人の目を気にする歳を過ぎたれば少し派手なる服を着て行く

松尾 勝造

もう何も気にしなくていい齢になったのだという解放感が、読者にも心地よく伝わります。

佳作秀歌

ホカホカの豚まん抱え孫の待つ家へと急ぐ足の速さよ

鈴村 三保子

孫が待っていると思えば、思いがけない程速く歩けたのですね。浮き立つ気持ちがよく伝わります。

日中のバスの乗客吾ひとり車は軽々と走り出す

宮本 ふみ子

このような、何でもない日常の一場面が歌の題材になります。さらりとした詠いぶりも好感がもてます。

再びは帰り来る事なき齢(よわい)故里の山を川をみて立つ

多田 シズモ

過去には戻れないという感慨を抱えて見る故里の風景。幼い時からの作者をずっと見守ってきた風景でもあるでしょう。

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