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医療と健康

2015年12月02日

健康診断で「貧血」。症状ないが…?

健康診断で「貧血」。症状ないが…?

70歳の男性です。先日健康診断を受けまして、その結果を見たところ、貧血があるらしく、再検査が必要であると書かれていました。

それ以外、とくに異常はなく、私自身も、どこもおかしいところはありません。立ちくらみがしたり、めまいがしたりすることもありません。

息子は、病気が隠れているかもしれないので、もう一度検査をするように言いますが、本当に悪いところが無いので、もう一度検査をするべきか迷っています。貧血があると、なにか病気が隠れていたり、他の病気に繋がることはあるのでしょうか。

答え

再検査し詳細知る ”怖い病気”隠れていることも

貧血というのは、血の中の赤血球の数が減っていく病気で、その原因は非常に多岐にわたります。

最も一般的な貧血には鉄欠乏性貧血があります。女性に多い貧血ですが、体の中の鉄が不足することによって起こります。鉄は赤血球を作るうえで必要な成分であり、この鉄が不足しますと、赤血球がなかなか作られなくなってしまい、貧血を起こします。この場合には、鉄を補充してあげることで改善します。

ご高齢の方で一番心配なものは、消化器系のがんの可能性です。胃がんや大腸がんがあると、患部から徐々に出血をする場合があり、その出血が原因となり貧血が進行してしまいます。

 もう一つ怖いものでは、白血病がありますが、その場合には赤血球以外にも、白血球や血小板などにも異常が現れます。

たかが貧血といいましても、このように怖い病気が隠れていることがあります。赤血球の大きさや形を調べたり、白血球や血小板の状況や血液中の鉄の濃度などを見ることで、貧血の性質を突き止めることができますが、さらに胃カメラや大腸の検査による消化管出血の評価をする必要性が出てくるかもしれません。

しかし、病的なものではなく、もともと貧血気味の人もいらっしゃいます。ずっと以前から、赤血球の数が少な目で、数値がほとんど変わらないという人でしたらあまり心配は要りません。もしも、がんや胃潰瘍などで出血している場合には、日が経つにつれて病状が進行し、貧血が悪化していきます。それを調べるためにも、やはり再検査は必要ですので、ぜひ内科で、もう一度詳しい検査をしてみてください。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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