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2020年12月01日

胃のポリープ切除とはどんな事をするの?内視鏡による切除手術について 

内視鏡、ポリープ切除…初めてなので不安です

70歳の男性です。先日、健康診断を受けましたところ、胃のX線検査の結果、ポリープの疑いがあるので、3カ月後に再検査をするようにとの指示がありました。
再検査の際には、X線検査ではなく内視鏡検査になるようで、もしポリープが見つかれば、その場で切除をするかもしれないとの事でした。
これまで大きな病気はしたことがなく、内視鏡検査も一度も受けたことがありません。その場でポリープを切除するというのは、どのようなことをするのでしょうか。また、入院も必要になるのでしょうか。詳しく教えてください。

答え

ポリープ1センチ以下は経過観察。切除の場合も入院の必要はない

今回は、胃のポリープを指摘された方からのご質問です。
ポリープとうものは体の様々な場所にできるものです。よくあるものとしては大腸ポリープや胆嚢ポリープなどで、それぞれのポリープには特徴があります。

たとえば大腸ポリープの場合、大腸がんの多くがポリープから進行して出来るため、大腸にポリープが発見された場合には早めに切除をします。健康診断や人間ドックの場合、大腸の検査は便の潜血反応、いわゆる検便にて行っていますが、これだけではポリープや早期の大腸がんを発見することは難しいため、40歳~50歳くらいになりましたら、一度は大腸内視鏡検査を行っていただくことをおすすめします。ポリープが見つかった場合でも、早めに切除してしまえば大腸がんの発生リスクがずいぶん減ります。

反対に、胆嚢ポリープの場合は、ポリープが進行してがんになる可能性はかなり低くなります。健康診断や人間ドックで見つかるものは2~3ミリの小さなものが多く、それくらいの大きさであれば、普通はそのままにして経過観察するのが一般的です。しかし、サイズが大きく、特に1センチ以上の場合であれば、がんの疑いもありますので、精密検査が必要になります。

では、今回ご相談の胃のポリープの場合です。胃のポリープは胆嚢ポリープと同じで良性の事が多く、胃の炎症によって起きる炎症性ポリープがほとんどです。1センチ以下のものであれば、がんに進行することは非常に少なく、10年~20年位の長い期間で見て、ごく希にがんになることがあるくらいです。
ただし、ポリープのサイズが大きかったり、形がくぼんでいたり、でこぼこがあったりなど形の異常が見られた場合には、悪性の可能性がでてきますので、その場合は胃の内視鏡などの再検査を行って、組織を取ってみたり、場合によってはポリープを切除してしまうことがあります。

もし、ポリープの切除ということになった場合でも、おなかを切り開くわけではなく、一般的には入院も必要ありません。ほとんどの場合、内視鏡による手術で行えるので、内視鏡の検査室で、検査の延長線上のような感覚で切除を行えます。病院によっては、睡眠薬などで患者を眠らせ、その間に手術を行う場合もありますが、手術という言葉から連想されるような、手術室で全身麻酔をしたりするわけではありません。

実際の手術の方法ですが、通常はポリープの出っ張り部分にワイヤーを引っ掛けて、高周波の電流を流して焼ききってしまうポリペクトミーという手法が使われます。その他ポリープの形状によっては、EMR(内視鏡的粘膜切除術)と呼ばれる方法も用います。もちろん、ただ検査をするだけに比べて、胃の一部を切るわけですから、合併症や、出血などのリスクが僅かながらにありますが、命に関るようなことになる可能性は非常に低いです。

今回のあなたのような場合、再検査という指示が出ているからには、明らかに良性のポリープということではなく、少しサイズが大きいとか、形状が異常であったり、何かしら注意しなければならない要素が見つかのだと思われます。念のため、早めに再検査をされた方が良いでしょう。

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高谷 典秀 医師
  • 医療法人社団同友会 理事長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック健診協会 理事

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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