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玉木正之のスポーツ博覧会

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2024年01月17日

大谷・山本両選手入団で話題の「ドジャース」。チーム名の意味を知っていますか?

大谷翔平選手のロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まったあと、山本由伸投手のドジャース入りも決まり、日本のスポーツ・メディアは昨年末以来「ドジャーズ」の話題で持ち切りとなった。

が、不思議なことが一つある。それは野茂英雄投手がドジャース入りした1995年にも起きた「現象」だったが、多くの日本人が「ドジャース」に大騒ぎしながら、ほとんど誰も「ドジャースという意味」を知らないことだった。

ドジャースは元々ニューヨークのマンハッタン郊外のブルックリンという下町に生まれた野球チームで、狭い道路に大きなトロリーバスが走っていた。そこで道路で遊んでいた子どもたちは、常に大人たちに、危ないから「避(よ)けろ!(ドッジ!)」と呼ばれていた。そこで「ブルックリンの子どもたち」は「ドジャー」と呼ばれるようになったのだった。

そこで1884年にブルックリンに生まれた野球チームも1932年以来「ドジャース(ブルックリンの子どもたち)」と呼ばれるようになったのだが、そのドジャースが1958年、広々としたアメリカ西部のロサンゼルスに本拠地を移したときは、さすがに名称の変更も考えられた。しかし、歴史ある名前を残すことになり、今も「ロサンゼルス・ドジャース」=「ロサンゼルスにいるブルックリンの子どもたち」と呼ばれているというわけなのだ。

その意味を知らなくても平気なのは、日本人の多くがスポーツを学校の体育で学んだからだろう。先生の指示(命令)に従って身体を鍛えるのが体育だが、スポーツには体育以外にも知育も徳育もあるのだ。ちなみにドジャースのドッジは、ドッジボールのドッジ。ドッジボールとはボールを「当てる」のではなく「避けるゲーム」なのです。

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玉木 正之
  • スポーツライター 音楽評論家 小説家

新聞や雑誌で執筆・評論活動を展開するほか、TV・ラジオ番組に多数出演。主著に『スポーツ解体新書』『不思議の国の野球』『オペラ道場入門』他多数。

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