趣味
2025年11月27日
「麦飯をご馳走だねと云う平和」2025年11月入選作品|老友川柳
老友新聞2025年11月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
麦飯をご馳走だねと云う平和
岡本 政子
「貧乏人は麦を食え」と言われた昭和が遠くなり、米不足の中、麦飯が食卓に。これをご馳走と称する認識不足を、敢えて「平和」と呼ぶユーモア。
地 位
大地との会話が弾む野良仕事
原島 幸男
体にはきつい野良仕事。これにプラス価値を与えると、心が喜び、はかどりますよね。大地との会話は誇りを生み、前向きな生き方を呼ぶでしょう。
人 位
老化でもお肌ツルツル冬タイヤ
細川 彰
すり減った老タイヤを擬人化して意味を書き換え、「お肌ツルツル」と形容する視点が光ります。初投稿。常連・細川ミキさんのご子息でしょうか。
五 客
筋トレで心の危機を乗り越える
森井 睦子
体を鍛える筋トレの価値は、肉体よりむしろ心に存在するという見方を、素朴な言い回しで訴えて、説得力があります。
仕切線手付かぬ力士土が付き
鈴木 曻
立ち合いに手を付く決まりごとが守れない力士を、正面から批判せず、負けたと指摘するだけでぎゃふんと言わせる力業。
ひまわりと銃持つ兵士似合わない
王田 佗介
この句も、非戦を正面から訴えず、ひまわりの花咲く光景と兵士が似合わない事実をもって、感じさせるのが高度な技です。
二刀流雨傘日傘大谷も
櫓木 香代子
暑さにたまりかねて、日傘を持つ男性が増えた今年。二刀流と見立てたのが川柳らしく、大谷選手が脇役という豪華さ。
良い本と出会って落とす脳の錆
原島 幸男
読書人口が減る中、書物との出会いの魅力を語る句。「脳の錆を落とす」という比喩を思いついたのがお手柄ですね。
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