趣味
2018年05月14日
「明日あらば明日を夢みて眠るなり「深夜便」聴きつつスタンド消しぬ」2018年4月入選作品|老友歌壇
老友新聞2018年4月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)
一 席
明日あらば明日を夢みて眠るなり「深夜便」聴きつつスタンド消しぬ
山岸 とし子
眠る時に、明日があるだろうかと思う。明日はきっと来ると思いながら灯りを消す。そんな思いを丁寧に描いて共感を呼びます。
二 席
ひとつづつ投げて受け止めお手玉のひとり遊びを楽しんでいます
天野 よし江
場面がよくわかり、素直で無理のないつぶやきのような詠み方に、独特の味わいがあります。
三 席
冬の日に洗濯物が足開きダンスの如く風と戯る
高木 富貴子
風にひらひら動く洗濯物が、まるでダンスをしているようだという作者独自の発見が光ります。
佳作秀歌
ふる雪をそしらぬ顔でとび歩くからす逞し声も逞し
山東 二郎
雪なんかへっちゃらとばかりにゴミを漁り太い声で鳴く烏。逞しいです。
過去(すぎゆき)の折ふし詠みたる先輩の歌集に昭和の暮らし顕ちくる
宮本 ふみ子
詠まれている日常が、そのまま昭和の暮らしを伝えているのでしょうね。
たわやすくミシンの針穴に糸通り気力湧きくる明日納品日
仲野 まつ乃
九十二歳の今も、お元気で人形作りに励んでおられる作者。頑張って下さいね。
公園の梅の蕾を拾い来て皿に浮かせば咲きて香れる
五木田 時子
日常に、ささやかな楽しみをみつけておられる作者の心映えが伝わります。
故郷の荷物包める新聞紙の地方歌壇を懐かしく読む
金澤 忠男
故郷におられた頃も新聞に短歌を投稿されていたのでしょうね。
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