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2025年06月10日

シニア向け「eスポーツ」が注目。コンピュータゲームを楽しみながら「認知症」「フレイル」予防に効果。

近ごろ、シニアのための「eスポーツ」が注目されているという。eスポーツとは、コンピュータゲームやビデオゲームでの対戦をスポーツ競技として捉えたもの。若者たちの間では2000年ごろから広まってきていたが、ここにきて認知症予防やフレイル予防の効果が期待できると注目が集まっている。

「脳トレ・ゲーム体験会」盛況
「アルファクラブ武蔵野」が開催

冠婚葬祭互助会の『アルファクラブ武蔵野』(埼玉県さいたま市)は、地元に密着し、総合結婚式場・葬斎センター・多目的ホールの運営を行なう企業。そのアルファクラブ武蔵野が、この春シニア向けのeスポーツイベント『脳トレ・ゲーム体験会』(以下、脳トレ体験会)を開催した。

『脳トレ体験会』の執行役員・橋本孔治さんは、イベントを企画したきっかけをこう語る。

「当社はシニア層との接点も多く持っていることから、その経験を活かしてシニア向けのeスポーツ体験会を開催することができれば、参加者の生活をより豊かにできるのではないかと考えたのです。また、埼玉県におけるシルバーeスポーツの普及にも大きく貢献できるという思いもありました」

実は、埼玉県はシニア層へのeスポーツの普及が進んでいる。来年2026年に開催予定の全国健康福祉祭『ねんりんピック彩の国さいたま』では、60歳以上を対象としたeスポーツが競技として組み込まれている。

実際にアルファクラブ武蔵野が開催した『脳トレ体験会』では、
「身体を動かしながら楽しめるボーリングゲームや幅広い世代が楽しめる『ぷよぷよeスポーツ』、その他、日本薬科大学薬学部准教授・長部誠氏による認知症予防講演会を行ないました。また、脳体力トレーナー『CogEvo』(※注1)で認知機能のチェック、トレーニングを体験するなど、楽しみながら認知症について学べるイベントになるよう工夫しています」
と橋本さん。

(※注1『CogEvo』=脳のリハビリテーションから生まれたサービスで、インターネット経由で利用できる)

ゲームだけでなくランチビュッフェも用意。参加者同士の会話が自然と弾むよう、地域交流の活性化も視野に入れて企画したという。
「周囲の方がご年配の方を誘い、サポートを受けながらゲームに挑戦される方もいらっしゃいました。挑戦されたご年配の方もすっかりゲームにハマってしまい(笑)、繰り返し何度も挑戦される様子も見られました」
子ども連れの家族も多く来場、幅広い年代の人たちが共に楽しんでいたという。

ほど良い難易度のゲーム
「夢中になり楽しかった」

今回の『脳トレ体験会』はランチビュッフェ付きというのもひとつの特徴だ。席でランチビュッフェを楽しみつつ、合間にゲームコーナーに移動して挑戦する人が多かったという。参加者からは、こんな声も聞こえた。

「孫たちがやっているのを見て難しそうと懸念していたけれど、実際にやってみると思ったよりもできたし、楽しかったわ」(70代女性)

「手だけでなくて身体全体を動かすものもあるのだね、特に足が悪くて行けなくなってしまったからゴルフのゲームが楽しかったよ!」(80代男性)

「シニア層の方を中心に想像以上に盛り上がったイベントになりました。eスポーツを通じて、世代を超えて、コミュニケーションが増えているのが印象的です。今後もeスポーツの活用を考えていきたいですね」

橋本さんは最後にそう締めくくった。ほどよい難易度のゲームに挑戦し、夢中になり、その場にいた人たちと交流もできるイベント。しかも、美味しい食事ができたり、認知症予防の専門家の話も聞くことができる。シニアに向けたeスポーツイベントの可能性が感じられた。読者のみなさんも、機会があれば一度参加されてみてはいかがだろうか。

■『アルファクラブ武蔵野』の今後のイベントに興味がある方は、
https://www.alphaclub.co.jp/
をご覧ください。

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