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2021年01月04日

「鉄骨の足場を高く組む人ら鋭き眼光宙に投げ合う」2021年1月入選作品|老友歌壇

老友新聞2021年1月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

鉄骨の足場を高く組む人ら鋭き眼光宙に投げ合う

荻野 徳俊

鉄骨を組む危険な作業に従事する人達の様子を下から見上げての描写でしょうか。「鋭き眼光宙に投げ合う」に、場の緊張感が伝わります。

二 席

強き風の音のみ聞こゆ 夜も更けてかすかに遠く犬の遠吠え

鈴木 とく

結句を「犬の遠吠え」名詞止めにしたことで、強風が一晩中吹き荒れる寒々しい夜の様子がより印象的になりました。

三 席

天高く手押し車に見渡せる限りに遊ぶミニ紅葉狩り

勝亦 はる江

車で遠出をしなくても十分楽しめるミニ紅葉狩り。「手押し車に見渡せる」が独自の視点でいいですね。

佳作秀歌

秋晴れの運動場に児童等の姿は見えず静まりかえる

王田 佗介

コロナと言わずにコロナの状況を描写。初句の「秋晴れ」が、賑やかなはずだった運動場の喪失感を際立たせました。

ときにふと声を聞きたき友のいて季節のためかと慰めており

山岸 とし子

人恋しくなる晩秋。声を聞きたくなる友がいる幸せ。

バスを待つその時の間にふとうかぶ故里の山清水湧く谷

多田 シズモ

バスを待つほんのひと時に、作者の心は故郷へ飛びます。

秋の日に被爆ピアノの初音きく今の平和に手を合わせつつ

菊地 幸子

被爆ピアノとは、原爆投下によって被爆し、被爆時に爆心地からおおむね三キロメートル以内にあったピアノの事だそうです。戦死されたお父様が帰ってきた思いがしたと作者。

錦秋の名前のついた湖もあと数日で白銀の原

小林 良一

その名も美しい錦秋湖。北国はもうすでに冬便りが聞かれています。

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