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医療と健康

2019年10月16日

咳が止まらず、痰に血のようなものが混じる

痰に血のようなものが混じります

63歳の男性です。先日、痰の中に血のようなものが混ざっていたので、不安になりお手紙をしました。

最近ずっと喉が痛み、痰も絡んで咳ばかりしていたのですが、ティッシュについた痰をみてみると、赤い血のようなものが一緒に出ていることに気がつきました。

血の量はほんの少しで、出ないときもあるのですが、たとえば肺がんなど、恐い病気が隠れている可能性はあるのでしょうか。
今までは薬局で買ったカゼ薬を飲んでいましたが、きちんとした検査を受けた方が良いのでしょうか。

答え

まずCTの検査を。
肺がんや感染症の場合も

今回は痰の中に血が混ざっていたという方からのご質問です。

このように、痰に血が混ざっている場合を、専門的には「血痰」といいます。同じように気道系から血液成分が喀出される場合に「喀血」という言葉もありますが、吐き出すものがほとんど血液の状態の時に使用します。ついでに説明しますと、胃や食道といった消化管からの出血の場合には「吐血」といいます。

ご質問の内容は、血痰が出て、さらに咳も続いているということですので、何らかの肺の病気が潜んでいる可能性がございます。ご心配をされているように、肺がんであることも否定できませんし、あるいは結核などの感染症や気管支拡張症などの肺の病気でも、血痰や喀血が出るということが知られています。感染症の場合には、咳や血痰の他にも、微熱が続くなどの症状が現れることがありますので、そのような症状に心当たりがある場合には注意が必要です。

あなた自身がおっしゃる通り、まずはこの機に胸のCT検査を行い、肺がんであるかどうかの確認をしてみることをおすすめいたします。さらに痰を検査して、中にがん細胞が含まれていないかどうかを調べることもできますし、培養検査といって、痰の中に結核菌やその他の感染症の元となるばい菌が含まれていないかどうかを調べることもできます。恐い病気が潜んでいないか、一度詳しい検査を受けられてはいかがでしょうか。

検査の結果、そういった病気がなかった場合、まずは一安心です。何らかの原因で喉に炎症が起こると、粘膜から僅かに出血をする場合もあるので、それが血痰のように見えたりします。また、万一の事ですが、喉のがんである可能性もございます。喉の炎症がどの程度のものか、耳鼻科で検査を受けていただき、適切な治療を受けるようにしてください。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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