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2017年10月12日

「冬のコート捨てむとポケットまさぐれば短歌のメモあり若く稚拙な」2017年9月入選作品|老友歌壇

老友新聞2017年9月号に掲載された短歌入選作品をご紹介いたします。(編集部)

一 席

冬のコート捨てむとポケットまさぐれば短歌のメモあり若く稚拙な

仲野 まつ乃

古いコートのポケットから出てきた若き日の短歌。拙いと思いながらもその頃の自分を愛おしむ気持ちが表れています。

二 席

歌会へのバスの窓から立葵の咲きのぼりたるを息詰めて見し

塩谷 千鶴子

赤系の華やかな色の立葵が真っ青な空に映えている情景を、「咲きのぼりたる」と捉えました。「息詰めて見し」も秀逸です。

三 席

京大に合格したと孫の声深夜の電話を正座して聴く

福田 浩明

二か月前の作品ですが心に留まっておりましたので今回ご紹介します。「正座して聴く」に作者の気持ちが凝縮されています。

佳作秀歌

息つめて墨を入れたる一瞬にダルマの瞳に宿る魂

荻野 徳俊

願い事が叶ったのでしょうか。瞳が入った途端、別のダルマになったように感じますね。

戴きしぶどう一房初物と愛でつつ友と分け合いて食(は)む

勝亦 はる江

初物を食べると寿命が七十五日延びるとか。お友達と分け合って食べたいい日でした。

我が余生まだやり残すことありや自らに問う幾度(たび)も問う

石野 文子

そんな自問自答を繰り返しながら一日一日を大切に過ごされている作者でしょう。

ジューンブライドとなりて父母の許巣立つ佳き日の空に雲ひとつなし

宮本 ふみ子

お孫さんの結婚式の日の様子。六月の花嫁は幸せになれるといいます。おめでとうございます!

ホームにて所作美しき人を見る腰の曲がれる媼(おうな)にあれど

松尾 勝造

腰は曲がっているけれど、所作が美しい媼に作者の歌心が刺激されます。

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