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2018年02月06日

若い頃から激しい頭痛が…これって病気?精神的なもの?

激しい頭痛に悩まされています

64歳の女性です。若い頃から苦しんでいるのですが、月に1~2回、激しい頭痛に悩まされています。

朝、目覚めた時に痛みを感じ、家事を始めると、どんどん痛みが激しくなります。体を動かしたり、頭を振ったりすると、ズキン、ズキンと、こめかみの辺りが痛み、なにもやる気が起きなくなってしまうのです。

市販の頭痛薬を飲むと少し楽になりますが、完全には治らないようで、何週間か後にはまた再発してしまいます。

主人は精神的なものだろうというのですが、亡くなった母も頭痛に悩んでいましたので、遺伝なのかとも思います。治療法はあるのでしょうか。

答え

女性に多い片頭痛
ストレス、高血圧が原因も

今回は頭痛に悩まされているという方からのご相談です。若い頃からお悩みということで、とても大変かと思います。

頭痛には様々な原因があり、その原因によって対処法も全く異なるものですが、まず一番心配されるのは、脳の病気が原因でないか、ということです。たとえば脳腫瘍であるとか、脳出血だとか、そういった命にかかわるような病気の心配もあるのです。

くも膜下出血を例にすると、突然強い痛みに襲われて、そのまま命を落とすということがある一方で、その前兆としては、今までに経験したことのないような頭痛が起こります。このような場合には、脳の病気がないかどうか、必ずMRIやCTで頭を撮影し、チェックしてください。

一方で、今回のご相談のように、以前から同じ種類の頭痛に悩まされているという場合には、重篤な脳の病気というのは考えにくいです。可能性として一番考えられるのは、医学的に慢性頭痛と呼ばれる種類の頭痛です。

慢性頭痛の中でも良く知られているのが片頭痛です。特徴としては、女性に多く、その名のとおり、頭の片側が脈に合わせてズキン、ズキンと痛みます。痛みは数時間から3日くらい持続することもあり、頭痛以外の症状として、吐き気をもよおしたり、音や光りの刺激に対して敏感になるということもあります。

それ以外にも、ストレスなどが原因となり、頭全体が締め付けられるように痛む、緊張型頭痛というものもあります。片方頭痛と違い男性に多く見られ、頭痛とともに、眼の疲れ、耳鳴り、肩こりなどが見られることがあります。

その他に見逃されがちなものとして、高血圧による頭痛が挙げられます。後頭部が全体的に重く痛むような症状が多いようです。このような場合は、血圧を下げることで良くなりますので、日頃の血圧のコントロールが必要となります。

あなたの場合、こめかみの辺りが傷むということで、片頭痛である可能性が高いです。片頭痛は、とくに遺伝するというものではありません。治療法としては、対処療法になりますが、頭痛の発作が起きたその都度、薬を飲むというのが一般的な方法です。市販されている薬は消炎鎮痛剤の類の薬ですが、病院で処方される薬には、その他様々なタイプの頭痛を抑えるものもあります。

また、頻繁に発作が起こるような方には、発作予防のために、日常的に継続して薬を飲んだほうがよい場合もあります。痛みがひどかったり、頻繁に発作が起きるようであれば、頭痛外来というものもありますので、一度専門医に見てもらい、そのような薬を利用してみるのも良いと思います。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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