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2019年09月30日

呼吸器の名医が教える「100%の鼻呼吸」のスゴイ効果

呼吸器の名医が教える「100%の鼻呼吸」のスゴイ効果

「咳が1週間くらい長引いても自然に治るのを待つ」というあなた。放置していると全身に悪影響を及ぼすかもしれません。毎月2000人以上の患者を治療してきた呼吸器の名医・杉原徳彦先生は、実は悪さをしているのは「のどではなく鼻の奥」と言います。そこで、杉原先生の新刊『つらいせきが続いたら鼻の炎症を治しなさい』(あさ出版)から、「長引く咳」の正体から治療法までを連載形式でお届けします。

「100%の鼻呼吸」で全身が健康になる

私は鼻の疾患をもつ患者さんにしばしば「100%の鼻呼吸を目指しましょう」と話しています。

「100%の鼻呼吸」は、鼻腔、副鼻腔のすべてに空気が通っている状態です。
健康維持や体や脳のパフォーマンス維持・向上などの観点からよいといわれるのは、口呼吸ではなく、鼻呼吸をメインにした生活です。

というのも、人間はそもそも鼻で呼吸するようにできているため、呼吸において重要な機能は、口ではなく、鼻に備わっているからです。

鼻に備わっている呼吸の機能とは、
1.潤いを与える
2.一定の温度を保つ
3.浄化をする
の3つの機能です。

吸い込んだ空気が鼻腔内を通る際に、主に鼻水によって湿度が90%以上まで加湿され、潤った空気がその下の気道に送られます。

温度を一定に保つためには、鼻腔内の粘膜に密集する血管が大きな役割を果たします。それらの血管が発する熱が、鼻腔内に入ってきた空気を温め、35 ~37度くらいの温度にして、気道へと送り込むわけです。

そして、鼻の中の鼻毛や鼻粘膜の粘液などは、空気と一緒に入ってきたウイルスや細菌、ホコリ、花粉などを取り除き、浄化する働きをしてくれます。つまり、異物が取り除かれたクリーンな空気が気道へと流れていくのです。

ところが、鼻に疾患があると、鼻の粘膜が腫れてしまい、鼻腔・副鼻腔内の空気の通り道が狭くなってしまいます。そのため、多くの人が鼻の下のほうだけで呼吸をしている状態です。

また、鼻の通りが悪くてうまく鼻呼吸ができないと、胸が押されるような圧迫感のような痛みや、首が締めつけられるような息苦しさを感じます。これは鼻をつまんで呼吸をしたとき、呼吸はできていても息苦しく感じる状態と同じです。

さらに近年、鼻の通りが悪いと呼吸の能力も低下する「鼻肺(びはい)反射」という現象も指摘されています。

鼻を治すだけで、心も健やかになった

ある患者さんで、1年間、呼吸苦と胸の圧迫されるような痛みが続き、咳も出ていたため受診した病院で「ぜんそく」と診断され、吸入の処方を受けていた方がいました。

しかし、吸入をしても息苦しさが改善されることはありません。精神科にも通い精神科薬なども服用されたのですが、いっこうに症状の改善がみられませんでした。

アレルギーもまったくなく、胸やのどのCT、呼吸の検査など、さまざまな検査を受けたものの、まったく問題が見つからず、食欲も元気もなくしておられました。

そして、通院中の病院で実施されたCTにわずかに副鼻腔が写っており、くわしい検査をするために、当院に来院となったのです。

さっそく副鼻腔のCTを確認したところ、軽い副鼻腔炎と鼻の粘膜の強い腫れがありました。そこで、100%の鼻呼吸ができていないことによる症状と判断し、治療を始めました。

すると、たった2週間で患者さんの苦しさはほぼなくなり、それにともない食欲もでるようになり、精神的にも明るくなっていったのです。

鼻の症状がないために原因に気づかれず、このような呼吸困難感を訴える方を、今まで何人も見てきました。

そして、そうした方々は鼻の疾患をしっかりと治すことで、鼻の上の部分もしっかり使えるようになり、呼吸も楽になります。

また、鼻の疾患を治すことは、咳ぜんそくや気管支ぜんそく以外の肺の疾患や、そのほかの体の不調などの改善・解消、さらには予防にもつながることがわかってきています。体調が全般的によくなったという患者さんも、少なくありません。

このことからも、鼻の疾患を治すことは、体を健康に保つうえで、とても重要といえます。


4章にわたり、長引く咳の原因と対策を網羅。咳対策用の枕、マスク、お茶の選び方などセルフケアの実践方法も紹介されています


杉原徳彦(すぎはら・なるひこ)

967年8月13日生まれ。医療法人社団仁友会 仁友クリニック院長。医学博士。専門は呼吸器内科。日本内科学会認定医、日本アレルギー学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。東京都立府中病院(現・東京都立多摩総合医療センター)呼吸器科勤務を経て現職。上気道と下気道の炎症に着目した独自の視点で喘息診療を行う。


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