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2018年06月28日

「貯筋」すれば骨粗しょう症予防にも! 筋肉は使って貯めましょう/筋肉貯金

筋肉が落ちると寝たきりや認知症に一歩、近づき、自由な生活からは遠ざかります。
筋肉を意識的に使うことで脳が活性化され、神経のつながりも良くなり、結果、いつまでも自力で動くことができます。「貯筋・ 運動」で”貯筋”の残高を増やしましょう。

前の記事「50 歳以降は1年に1%ずつ筋肉は減少する! 知ってますか?筋肉のこと/筋肉貯金(1)」はこちら。

ご存知でしたか? 動ける体を維持する近道!?

大切なのは太ももとおなか!

筋肉は加齢に伴い、全身で同じように減少するわけではなく、部位によって差があります。最も減少が著しいのが太もも前の大腿四頭筋と腹筋です。日常生活では太ももとおなかは、それほど大きな力を出していないので衰えやすい、つまりは意識的に鍛えておかないと”貯筋”ができません。

「歩く・座る・移動する」ために、大腿四頭筋と腹筋は欠かせない役割を果たしています。

1 日15分の運動で貯筋できる!

寝たきり状態を作り出すベッドレストスタディの実験で、1日15分だけ起きて筋トレして、あとの23時間45分は寝たきりのグループと24時間寝た状態のグループを比較しました。
24時間寝たままのグループは、ほぼ3日で何もする気が起きなくなり、テレビすら見なくなりました。

が、15分の筋トレをしたグループは顔つきもシャキッとして全く様子が違い、太もも前の筋肉量もそれほど減少しませんでした。動かないと生きる意欲も失われてしまうのです。

貯筋すれば骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防になる!

骨に刺激が加わると骨を作る骨芽(こつが)細胞は活性化します。筋肉は骨に付着していて、筋肉を使うと骨にも刺激が届いて骨が強化されます。筋肉量が多い人は骨密度も高い傾向にあり、筋肉を保つことは骨粗鬆症予防の観点からも大切です。

そもそも筋肉が減少して、歩く→つまずく→転ぶ→骨がもろくなっていて骨折、といったことが多いですから、筋肉量と骨量は密接に関係しています。

ウォーキングだけでは貯筋できない!

ウォーキングやジョギングのような全身運動はメタボリックシンドロームの改善などには効果的です。ただ、「筋肉を鍛えたい。増やしたい」というときには、使う筋肉に直接的に働きかける必要があり、ウォーキングのような全身運動では強度不足です。

ちなみに歩行中、おなかの筋肉はほとんど使われておらず、大腿四頭筋でも最大筋力の5%ほどしか力を出していません。これでは貯筋はできません。ウォーキングするときに無意識ではなく、歩幅を大きくする、脚を意識的に上げるなどの工夫をするともう少し筋力を使えます。

次の記事「「いす座り立ち」で無理なく貯筋運動!/筋肉貯金(3)」はこちら。

取材・文/石井美佐


<教えてくれた人>
監修/福永哲夫(ふくなが・てつお)さん

鹿屋体育大学名誉教授・早稲田大学名誉教授・東京大学名誉教授。「貯筋運動」考案者。筋トレの重要性を提案。

運動指導/沢井史穂(さわい・しほ)さん

日本女子体育大学スポーツ健康学科教授。全国で「貯筋運動」の実践、普及に尽力している。


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