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玉木正之のスポーツ博覧会

玉木正之のスポーツ博覧会

2023年02月10日

「スポーツ報道写真」は、これで良いのか?

1月7日から4月16日まで、横浜市内のニュースパーク(日本新聞博物館)で開催されている「2022年報道写真展」の新聞広告を見て驚いた。

4枚の写真のうち一番大きいのが《ついに出た! 村神様56号》と題された1枚。はたしてこの写真が《東京写真記者協会に加盟する新聞・通信・放送35社の記者が22年に撮影した報道写真》の中で、「ウクライナ戦争」よりも大きく扱われるものなのか?

おまけにその写真は、王貞治氏を上回る本塁打を放った瞬間ではなく、その後のガッツポーズ。もう1枚の「ドーハの歓喜」と題されたサッカーW杯対ドイツ戦の写真も、堂安選手が同点ゴールを決めた瞬間ではなく、その後に選手たちが抱き合って喜ぶ写真。スポーツの瞬間を写したものではなかった。

「報道写真展」の広告の4枚の写真のうち2枚がスポーツ関係とはいえ、スポーツの迫力に驚くような写真ではなく、言葉による説明がなければ何だかわからない写真だった。

報道写真展のホームページに取りあげられていた3枚の「スポーツ関連の写真」も、「北京冬季五輪女子スケート・パシュート団体の表彰台」「国体ご臨席の天皇皇后両陛下」「Jリーグ横浜Fマリノス優勝セレモニー」で、スポーツの瞬間ではなかった。

パシュートは、最後のコーナーで姉の高木菜那が転んだため金メダルを逃したのを、表彰台で妹の高木美帆が慰めている写真だった。が、レースで転んだ瞬間(スポーツの恐ろしさ)を捉えたような決定的な写真が見たかった。

スポーツ以外のウクライナ戦争の写真も女性が祈りを捧げている写真で、戦争の瞬間(悲惨さ)を捉えた写真ではなかった。報道写真は、「物語(ドラマ)」ではなく「現実(リアル)」を映し出してほしいと私は強く思う。

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玉木 正之
  • スポーツライター 音楽評論家 小説家

新聞や雑誌で執筆・評論活動を展開するほか、TV・ラジオ番組に多数出演。主著に『スポーツ解体新書』『不思議の国の野球』『オペラ道場入門』他多数。

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