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コラム

2020年06月26日

遺言書を作成したこと自体を秘密にしたい…でも、それで遺言書の効力は発揮できるか?

問い

遺言の作成を内緒にしておくことは大切だと思いますが、遺言書を作成したそのこと自体、相続人の誰にも知られないようにしたいのですが、どうしたらよいですか。

答え

答え

このような場合には、第三者に預けておくことが大切だと思います。信託銀行や信頼出来る弁護士さんとか、あるいは知人や友人といった人でもいいと思います。

しかしこの場合、遺言書を保管している者にとって、問題なのはあなたが亡くなったことをどのような方法で知ることが出来るかが重要です。あなたが亡くなったことを知らないで遺言書を保管しておいても、保管者は遺言書が効力を生じていないものと思って保管することになると思いますし、また相続人の方でも遺言書があるとは知らないので、遺言書がないこととして遺産分割をすることもあります。それでは折角あなたが遺言を作成したのに、日の目を見ないことになり、非常に残念な結果になります。

あとから遺言書が出てくれば、それに従った相続をすることになりますが、一旦分割した後でこれを元に戻すことは大変であり、遺言内容がどこまで実現されるのか、はなはだ不安となります。

第三者に遺言書を預ける場合は、具体的な内容を相続人に説明するのではなく、それとなくあなたが死亡したことを、遺言書を保管している人に伝えるよう話しておくことが大切ですね。

信託銀行の場合は、単に遺言書を保管してもらうだけでなく、適当な額の預金をしておくとよいでしょう。相続人は信託銀行に預金があることとして調査、払戻しをすることになりますので、その際、信託銀行は遺言者の死亡を認知することが出来ます。

また、知人や友人は葬儀に来てもらうことで遺言者の死亡を認知することが出来るでしょうが、必ず参列してもらえるかもわかりません。その場合は、相続人に「私が死亡したら〇〇さんとお別れをしたいので、葬儀に来て欲しいとお願いしてくれ」と言ったメモを残すこともいいかも知れません。

また弁護士に遺言書を預けている場合、同じく相続人に「私の死後の遺産分割については〇〇と相談しながら進めて下さい」と言った旨を話しておくのもいいかも知れません。

このように、第三者に遺言書を預けた場合は、遺言書が効力を生じたことをどのように知らせるか、注意を払っておくことが必要です。

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