高齢者のための情報サイト【日本老友新聞】

老友新聞
ルーペ

コラム

2021年02月26日

相続法改正のおさらい その2「配偶者居住権」

2018年7月に相続関係の法律が改正になったと聞きましたが、どのような点が変更になったのか、あらためて教えて下さい。

 

答え

今回の改正で配偶者居住権と言うものが認められるようになりました。これは配偶者の居住を確保するための制度として新たに設定されました。

 

たとえば、夫と妻が夫名義の家に住んでいたとき夫が死亡したケースで考えてみましょう。

 

妻はそのまま引継いでそこに住みたいと希望する場合が多いでしょう。これまでは妻に相続分が1/2あるとは言いつつ、当然にその建物に住む権利はなく、遺産分割により合意が成立した場合にのみ住むことが出来ます。

特に預貯金が少なく、財産はこの建物だけということになると、建物を売却して金銭で分けることになります。これでは妻は夫が死亡したらその建物から退去せざるを得なくなります。1人残された配偶者の生活がおびやかされないとも限りません。

 

この権利は遺産分割によって、あるいは遺言により設定することが出来ます。期間は夫の死亡の時から終身、又は一定の期間ということになります。

この場合、配偶者は住む権利を確保すると同時に預金についても分割を求めることが出来、生活費も確保されます。

たとえば、不動産(住居)が2000万円で預金が3000万円とします。相続人は妻と子供1人だとすると、妻の相続分は半分の2500万円となります。改正前は不動産を居住のため取得すると、これが2000万円ですから残り預金からは500万円しか取得出来ません。

ところが改正後は、不動産について配偶者居住権(仮に1000万円とします)を設定すると、配偶者である妻は1000万(居住権)と預金1500万円を取得することになります。これで住居と生活費を取得し、将来の生活が安定させることができます。

 

今後、配偶者居住権をいくらと評価するかが問題となりますが、遺言書に明記することにより評価に関する争いを回避することが出来ます。もっとも、その効力が生じるのは相続が開始した時ですから、いつになるか不明であり評価をいくらにするかも難しいでしょう。

 

この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。

高齢者に忍び寄るフレイル問題 特集ページ
トップへ戻る ホームへ戻る