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2022年11月16日

「一人居の庭 チチロが鳴いて 恋し故郷 人恋し」2022年11月入選作品|老友都々逸

老友新聞2022年11月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

一人居の庭 チチロが鳴いて
恋し故郷 人恋し

岡本 政子

チチロは蟋蟀(こおろぎ)のこと。一人居(ひとりい)の淋しさがよく伝わってきます。

地の位

迎え提灯 点(とも)して待って
ゆっくり浄土へ 茄子の牛

手銭 美也子

焙烙(ほうろく)に麻幹焚(おがらた)きをして、それを跨いで御先祖様の盆の迎え・送りをしますね。

人の位

業師宇良関 土俵を沸かす
二十年振り 伝えぞり

王田 佗介

寄り切り、上手投げ…など慣れ親しんだ勝負の他に二十年振りに出た術。だから大相撲は面白い。

五 客

戦知らずに もう直ぐ八十路
平和日本 噛み締める

鈴木 曻

戦に明け暮れた近代日本が、七十年余り平和を保てたことは稀有(けう)なこと。じき八十歳になるという作者は戦知らずにいらした訳ですね。自他二つの感慨。同感いたします。

守る郷土 若者達が
揃う祭りの はなやかさ

鈴木 とく

何と言っても若者が揃う元気な祭りが一番ですね。

嘆きわがまま 年寄り子供
コロナマスクで つらいです

冨田 いつ子

「年寄り子供」になってしまった、と御自分を客観視して自分の我が儘を歌にして乗り越えようとなさっています。

秋の名月 ススキと豆で
時間忘れて 酒を酌む

菊地 幸子

「豆名月」は旧暦九月十五夜の月。女性ながら独酌風なお酒で風格が感じられますね。

夏の終りに ミンミンゼミが
サラバ夏よと 庭で泣く

山田 浩司

セミは「鳴い」ているのではなく「泣い」ているのですか。そう思うと一層情が湧きますね。

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