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2019年02月01日

「二人きりをと 願っていたが なぜか淋しい 二人きり」2019年1月入選作品|老友都々逸

老友新聞2019年1月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

二人きりをと 願っていたが
なぜか淋しい 二人きり

黒木 弘

「家族の中の夫婦」であったが「夫婦だけの家族」になった。そのギャップになかなか慣れない。

地の位

両手突き上げ 自然の背伸び
健康正(まさ)しく 今日の幸

岩崎 ますゑ

気付かない自然の動作こそがご自分の健康の証(あかし)なのですね。

人の位

一足す一なら 二になるような
そんな政治をして欲しい

鈴木 とく

誰の目にも分かる、嘘かくしの無い政治や政治家を我々庶民は望んでいます。

十 客

食べて笑顔になるおいしさの
唐津ブランド「いちごさん」

櫓木 香代子

旧年10月にそちらのイチゴ新品種のブランド名が「いちごさん」になったそうですね。「153(いちごさん)」ですね。

今夜の宿り木 どの木にしよか
夕暮カラスが行き来する

勝亦 はる江

このカラスのような境遇の人も大勢いることでしょう。ことに都会には。

あれ無人駅 また無人駅
乗り降りなくても止まる汽車

岡本 政子

上の句は絃(いと)に乗せるには工夫が要る言葉並べですが、妙に面白く、上手に下の句を引き出せそうな気がします。

高い理想の夢など捨てて
過疎の大地で鍬(くわ)を振る

飛田 芳野

これこそ理想の暮らし方ではないでしょうか。

汗を流した小さな畑
でっかい芋だよどっこいしょ

松本 タケ

「小さい」と「でっかい」の対照が、自己への励ましと収穫の歓びを両立させていて共感を呼びます。

妻の笑顔とお帰りなさい
言葉一つに癒される

惣野代 英子

男性側になって詠みましたが女性の気配が漂います。それも歌の味。

肌に柔らか仕舞の湯舟
つかりしみじみ虫の声

王田 佗介

仕舞風呂は一家を支えていらっしゃる人の一日の安堵感ですね。

あごを突き出し ここらが丁度
指した目薬流れ出る

向井 智恵子

口を開(あ)く方が目薬は注し易いものですね。

認知予防のちぐはぐ体操
やはり合わずに四苦八苦

小林 良一

「やはり」に体育系は苦手という御本人が見てとれます。「ちぐはぐ体操」、面白いのに。

一つ一つに感謝を込めて
日和続きの冬支度

高木 まつ

衣類・室温・お付き合い・年越し…等など。忙(せわ)しないことばかりなのに冬支度が出来ることに感謝なさっている。そのことが尊い。

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