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2023年01月10日

「注連作る皆既月食話題にし」2023年1月入選作品|老友俳壇

老友新聞2023年1月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

注連作る皆既月食話題にし

岸 慶子

近隣の人が集まって注連づくりをしているのでしょう。おりしも昨夜は月蝕の日だった。絶好の話題で盛り上がった筈、楽しい注連づくりです。今もこのような集いがある丹波という土地柄や、そこに住む人々の暮らしぶりも想像させる作品です。

冬晴れやあと十分のバスを待つ

佐野 磯雄

寒い季節にバスを待つのは僅かな時間でも苦痛です。作者にとって好天なら「あと十分」は心穏やかに待てるのです。すでにいくらか待っていたあとの十分のようですが冬晴れに救われました。

眺望の森際立たせ初時雨

鈴木 曻

遠く見渡して見える森は時雨が降るまではあまり目立ちません。しかし雨で濡れた森は遠くても黒ずんでしっかり見えたのです。地味な作品ですが、初時雨の頃の空気感、季節感が伝わります。

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