趣味
2025年09月18日
「手術痕そっと撫でるや夜の秋」2025年9月入選作品|老友俳壇

老友新聞2025年9月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天
手術痕そっと撫でるや夜の秋
佐野 智津子
「夜の秋」は晩夏になると、昼は暑くても夜には秋の気配が漂うことを言う季語です。術後まだ日が浅い身でしょう。中七音には暑い夏を耐えた病後の身をいとおしむ気持がこもっています。
地
白拍子の歩むきぬずれ庭若葉
小柴 一子
平安期におきた白拍子の 歌舞、現在は廃れましたが、作品はその伝承を目的とした行事でしょう。若葉美しい庭を前にした厳かな場ですが、密かな衣擦れの音が心に響きます。
人
緑蔭や一歩さがって句碑を読む
岸 慶子
日を遮る緑蔭ですから、薄暗くて字が見えにくかったのかもしれませんね。けれど句碑などの文字を読むとき、意図せず自然に後ろへさがったりすることもよくあります。臨場感のある作品です。
この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。
- 今注目の記事!