趣味
2025年05月08日
「どの当り生命線にそっと聞く」2025年4月入選作品|老友川柳

老友新聞2025年4月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
どの当り生命線にそっと聞く
菊地 幸子
寿命はどれくらいなのか、気になり、手の平をじっと見ると、手相の生命線が。明確な答えは聞けなくても、知りたい、その気持ちが切ないですね。
地 位
米寿ですこの先の地図自分流
森井 睦子
いつから自分流の人生を貫くのか、人それぞれの中、元気に迎えた米寿を出発点に。「この先の地図」の表現が前向きな未来志向を感じさせます。
人 位
集まりをやめるか増やす高齢者
佐野 磯雄
高齢になっての行動の二極化。片や集まりをやめて、片や増やす。「減らす」のではなく「やめる」のに気付いた、作者の観察眼が光りますね。
五 客
戦いの絶えぬ地球や寒き日々
岡本 政子
気温の低さよりも、世界情勢が寒さの原因。戦乱のニュースに接するにつけても、平和を望む気持ちは庶民に共通ですね。
預けても盗難に合う貸金庫
櫓木 香代子
大事な物だから預ける貸金庫なのに、外部の泥棒ではなく当の銀行職員が盗みを働いていた……世も末の事件ですね。
ネットなく誹謗中傷蚊帳の外
本庄 一郎
誹謗中傷が話題になりがちな昨今。ただしリアルな場ではなく、専らネット上の話。「蚊帳の外」を誇る兵庫県民の達観。
今年こそ脱皮する蛇にあやかりたし
杉本 澄子
長年の脱皮願望。巳年の今年がチャンスと自分を鼓舞。字余り気味の表現に、にょろにょろ伸びる蛇の姿が二重写しに。
騒ぐだけ騒がせ後は人任せ
田中 和代
やたらに騒ぎ立て、実際の行動段階では逃げ腰に。そんな卑怯な生き方をやんわり批判するのも、川柳の役割でしょうか。
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