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2020年01月20日

1月は特選1作品と無審査2作品。|皇寿書壇2020年1月入選作品

1月は特選1作品と無審査2作品が選ばれました。(編集部)

特選

丸山 茂保

読み=過ちて然る後・能く改む
過去に隷書のご出品は無かったように記憶しておりますが今回の作はすっきりとした作調で清雅に五文字を纏め仕上げて下さいました。
隷書は書き方の要領がわからないと纏まりませんがご高齢ではございますが新たな書風・書体に取り組む姿勢・学書態度を高く評価し特選とします。
隷書は造形的な趣をもっていて建築的な美しさを備えています。古い時代の人々の純真さやたくましさ等を古典から書線の奥深さをお学びになることをお勧めいたします。

無審査

藤田 貢外

書譜の臨書作は原帖では「東」字の終筆の点は余白を広く空けて右下に太く置かれております。また「晋」字の日の部分は筆の軸を右に傾けて太い線で書かれております。
筆管を傾ける角度の違いで線の太さが変わり線質も違ってまいります。全体的には良く形臨されており「人」字の終筆などの処理は大変良く観察し書かれております。
形臨することは大切ですが氏ほどの実力ある方はそれに伴い筆をどのように使っているのか古典の原帖を良く観て技法を学ぶことの方がよろしいのではないかと思います。是非試みて下さい。
自運書二点作はほぼ同じ筆調で書かれておりますが「朱華…」と書して下さいました作は「落」字の字形をくずした為に運筆の速度がやや速くほか四文字と雰囲気が違ってしまったように感じることが惜しまれます。
「雨色…」と書かれた作は骨力有し清勁なる仕上がりで「秋」字の終筆にアクセントを付けて寒気を表現し引き締まった線条は秋気を感じさせ快作です。

久米 恵泉

「自然…」と六文字書されました作は「風」字の結体が悪かったものほか五文字は形意整斉で、二行目の「物陽光」の三文字は老快なる筆致の内に真面目に王羲之の集字聖教序を学んでいることが分かり、学書態度に敬意を表します。
もう一点の自運書作は、やや小さく文字をお書きになったことで文字との間隔に余白が生じ、古風で質素に力まず自然に運筆され、古朴さが表現されております。お名前(落款)の字形が安定していたならば更に素晴しい作であったでしょう。
それにしても百歳にして明解なる筆路で、要所を得て律動感があり、呼吸もよろしく見事な作です。

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