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2021年03月25日

力を入れると指の関節が痛む…関節リウマチの疑い

指の関節がズキン!瓶のフタが開けられない

61歳の女性です。私は数か月前より、指の関節の痛みに悩まされておりご相談いたしました。

とくに朝起きたばかりで手を動かそうとすると違和感があり、ちょっと力を入れると指の根元の間接がズキンと痛みます。最近は寒いですので、痛みが酷くなったようです。
例えば瓶のふたや缶詰などを開けようとすると指の付け根が痛く、うまく開けられません。気のせいかもしれませんが、関節の部分が少し腫れているような気もします。
痛風かもしれないと思ったのですが、痛風は足に起こりやすいと聞きました。手が痛む場合は、ほかに原因があるのでしょうか。ちなみに私はお酒も飲みませんし、タバコも吸いません。 

答え

関節リウマチは投薬治療が重要

今回は手の指の関節が痛むという方からのご相談です。痛風の可能性を心配されているようですが、ご自身がおっしゃるとおり、痛風は足、とくに足の親指の付け根が腫れて痛むものなので、今回は異なるケースかと思われます。

症状から一番疑われるのは関節リウマチです。関節リウマチはご存知の方も多いかもしれませんが、関節が炎症を起こして痛みを発症し、症状が進むと関節が変形を起こす病気です。初期の頃は手の指、とくに付け根の辺りが少し腫れたり、動かすと痛みがあったりするのですが、ご自身のように朝起きた時に手のこわばりを感じるというのが典型的な初期症状です。30~50歳代の女性に多いといわれていますが、60代以降で発症することもあります。

リウマチとは膠原病の一種で、自己免疫疾患と呼ばれます。免疫とは、体内に入り込んだウイルスや、がん細胞が発生したような場合に、リンパ球や白血球、抗体などがそれらを攻撃し、細胞を守ってくれる機能です。ところが、自分の正常な組織をも悪いものと判断してしまい、攻撃してしまうのが自己免疫疾患です。リウマチの場合は、とくに関節の組織を攻撃してしまい、そこに炎症が発生し、痛みや組織の破壊が起きてしまうのです。

リウマチの場合、放っておくと関節の炎症が続き、関節の組織を破壊してしまいます。以前は関節の破壊は徐々に進行すると考えられていましたが、最近では早い段階で進む事がわかってきており、また一度破壊されると再生することが難しいため、なるべく早く発見し、早く治療を始めることが大変重要なのです。

また、関節の病変以外にも、人によっては肺や心臓に症状が現れたりもします。たとえば肺が繊維化してしまう間質性肺炎や、心膜、胸膜などに炎症を起こしてしまう心膜炎、胸膜炎などです。やはり症状が進んでからですと治療が難しくなりますので、早期にきちんと診断して、治療を進める必要があります。

リウマチの検査は採血によって行いますが、最近では新しい方式の抗体検査があり、より早期発見、早期診断がしやすくなっています。また、昔は良い治療薬がなく、ステロイド薬の副作用が心配されたりもしましたが、薬も進歩しており、抗リウマチ薬であったり、生物学的製剤と呼ばれる新しいタイプの治療薬がございます。高い治療効果が得られ、使用する人にもよりますが、ほぼ完全に症状を抑えてしまうようなことも可能になってきております。

リウマチの場合、食事や生活習慣ということは余り関係がなく、なにを食べてはいけない、これを食べた方が良いというのはありませんので、きちんとした診断と薬でのコントロールが一番大切になります。今は良い検査方法と薬がありますので、早めにリウマチ専門医に診てもらうことをおすすめいたします。

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高谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 /医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック健診協会 理事

    日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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