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医療と健康

2021年04月26日

長く続く頭痛は慢性硬膜下血腫の疑いも。放置せずに検査を

2週間ほど頭痛が続いています

68歳の男性です。長く続く頭痛について教えてください。
この2週間くらい、ずっと頭痛が続いています。最初は頭がぼーっとして、身体も少しフラフラするので風邪かと思ったのですが、熱もなく、喉の痛みなどもなく、風邪の症状とは違う気がします。
これまで、このような頭痛に悩まされたことはありません。試しに市販の薬を飲んでみても改善せず、たまにふらついて転びそうになることもあります。
なにか特別な病気でしょうか。分かりましたら教えてください。

答え

CT・MRIで検査を。慢性硬膜下血腫の疑いも

今回は頭痛が長く続いているという方からのご相談です。

頭痛は色々な病気が原因で起こるもので、頭痛の症状だけで診断をするのは難しいのですが、それぞれの病気毎に特長があり、なかには注意しなければいけない頭痛もあります。

通常は風邪や片頭痛等による頭痛で、様子を見ていても大丈夫なことがほとんどですが、今回のようにいつもの風邪の症状とは異なり、頭痛が長く続いているという場合には注意が必要です。
その中でも特に高齢の方で気をつけないとならない病気に、慢性硬膜下血腫があります。この病気では、頭蓋骨の中で、脳の外側に血の塊が出来てしまいます。原因として多いのは外傷で、頭を打ちつけた何ヵ月後かに発症し、頭痛などの症状が出現してくるのです。
頭を強く打ちつけた場合には、意識がなくなるなどの症状がすぐに現れ、その場での緊急対応が必要となる事が多いのですが、その時は大丈夫だったものの、小さな血管が傷ついて、少量の出血が長く続くようなケースがあります。
外見に変化がないため気付かずにそのまま放置すると、脳の外側の部分に少しずつ血がたまっていきます。しかし頭蓋骨で覆われているために血液の逃げ場がなく、血がたまった分、脳が圧迫されて頭痛などの症状が出てきたりするのです。
頭痛以外の症状としては体のふらつきや歩行障害など、また認知症のような症状が現れたりもするので、ご高齢の方ですと「認知症が進んだだけではないか」と勘違いをされ、そのまま放置してしまう可能性もあるので注意が必要です。出血を放置して症状が酷くなると尿失禁をしたり、意識を失ったりすることもありますので、そこまでの症状が現れる前に診断、処置をするべきなのです。

人によってはあまりハッキリと記憶がない場合もありますが、1~2ヶ月前に、転んだりして頭を打っていないでしょうか? 確認をしてみてください。また、頭を打った直後に検査をして、その時に問題ないと診断をされた場合にも安心してはいけません。このように後から症状が出てきた場合には、少量の出血をしている可能性があるので、もう一度検査をすることが重要です。

血腫の診断は頭のCTやMRI検査をすればはっきりと分かります。万一、本当に血腫があった場合には、頭蓋骨に少し穴を開けて血腫を除去することで症状は回復する場合がほとんどです。

あとは希なケースですが、脳腫瘍などでも頭痛が起きたりします。その場合でもCTやMRIなどで診断ができますので、一度精密検査を受けてみてはいかがでしょうか。

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高谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 /医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック健診協会 理事

    日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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