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2020年07月20日

「なんだかんだと言ってはみてもコロナ来るなのマスク攻め」2020年7月入選作品|老友都々逸

老友新聞2020年7月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

なんだかんだと 言ってはみても
コロナ来るなの マスク攻め

小林 良一

「コロナ来るな」のくすぐりも作者は斜に構えて成り行きを見守っていて隙が無い。

地の位

断り文句に 便利に使う
新型コロナで 自粛中

岸 慶子

煩わしい会合は、これで断るに限りますね。

人の位

爪に火ともし 定期にしたに
たった四円の 利子に泣く

岡本 政子

お金を預けてヤルでは無く、預かって頂く、のが現代感覚なのでしょう。

十 客

コロナウイルス どこ吹く風と
大口広げて 鯉のぼり

王田 佗介

世間のコロナ菌を平気で吸い込んでいるような鯉のぼりの口。時節柄の捉え方が鋭い。「広げて」がいい。

声の便りを 待つ弟へ
唱って励ます 県民歌

手銭 美也子

弟さんに声の便りで島根県民歌を唱って励ますご様子。事情は分かりませんが、作者のお心が若々しくナイーブ。

コロナ休校 ミルクにパンが
行く場なくして べそをかく

向井 智恵子

そうなんですってネ。でもこれだけ輸送力のある現代なのに智恵の無いことでしたネ。べそをかく、がいい。

家の中まで 光と風を
連れて 五月の客が来る

高木 まつ

隠しどこは隠し、すっきり仕立てた達吟です。「五月の客」と言いながら「五月」そのものが待ちに待ったお客様なのですね。

マスク出来たよ こっちはじいじ
可愛く出来たの こればあば

鈴木 とく

可愛い方はばあば用、と気の回るよいお孫さんですね。

金は無くても 命はあって
共に白髪の 爺と婆

黒木 弘

共白髪は何より目出度い人生。お金はどんなにある人でも(無いな)と思うものなのでしょうね。

空は晴れても 心は曇り
コロナウイルス いつ止(や)まる

天野 照華

「空は晴れても…」と来れば新派のあの名台詞「心は闇だ」となる。お蔦主税(ちから)の「婦系図(おんなけいず)」湯島天神の場面をうまく時事吟に使いましたね。

コロナコロナでお出掛け禁止
テレビやおやつと仲がいい

鈴村 三保子

目や口のお客様は、先方からお見えくださるに越したことはありませんね。

春の山菜 こごみにわらび
次は何かと 心待ち

菊地 幸子

雪の多い土地にお住まいの方々の春待ちの心が、山菜採りに良く表れています。こごみ・わらびの具体名も春の躍動感の確かな現れとなっています。

ステイホームで 髪の毛伸びた
今日はチョンマゲ結ってみる

山田 浩司

お偉いさん達の在宅依頼を命令として怯える人も居れば、こうしてオドケてコロナを笑い飛ばしているスゴい人も居るのですね。

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