コラム
三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!
第51回「名物」
すっかり晩秋の空気となりました。
夏があれだけ暑くて、終わりが無いんじゃないかと思ってましたが、今はちゃんと寒いですね。
とはいえこれぐらいの気温と乾燥しすぎてない空気が心地よいです。
さて近頃、師匠好楽のお付きで日本全国に連れて行って頂くことが多いです。
高座の無いただの鞄持ちではありますが、その分プレッシャーも無く、それはそれで旅行気分で楽しんでます。
師匠をなんだと思ってるんだと怒られそうですが。
先日とある遠方の地域のお昼の公演で新幹線移動のため、朝8時東京駅発です。
席に着くなり「じゃお疲れ様~」と缶ビールで乾杯。
朝8時です。
起きてからコーヒーより先にビール飲んだのは初めてでしたし、なによりまだ疲れてないし。
たださすがにそこから酒宴が始まるわけでは無く、移動時間グッスリ寝るためのビールなのです。
まぁ飲まなくても寝るんですけどね。
そんな感じで基本お酒飲みつつ昔話を聞きつつ相撲の話をしつつといった感じなので、世間一般の方が考える付き人とはちょっと違いのんびりとしたものです。
好楽門下が特別なだけではありますが、ただ気は遣いますよ、もちろん。
トイレのタイミングとか車内販売のアイスの種類とか。
先日は山形県に伺ってきました。
この日は2時間程の行程なのでさすがにビールは飲まず車中は牛乳で喉を潤しそのまま楽屋入り。
私、この山形のお付きをとても楽しみにしておりました。
というのも山形名物の芋煮がケータリングで置いてあるのではないか、と。
前座の時に山形の新庄の落語会へ伺った際もお弁当と別に大量の芋煮が差し入れされ、その美味しさと山形県民の芋煮好き具合に驚いたものです。
で、今回。
やはりありましたよ、芋煮。
熱々の出来立てが。
大きな鍋に入って。
米沢牛とそこから出る上質な脂、ホクホクの里芋、食感に変化を与え飽きがこないように良い仕事をするこんにゃく、そしてそのすべての煮汁を吸った影の主役長ネギ。
最高です。
会場近くの100円ショップでタッパー買って残った分も持ち帰りました。
でも考えてみると他の地域で、そこの名物がわざわざお弁当と別で出てくることはあまり無いです。
私の地元名古屋でひつまぶしや味噌煮込みうどんが単独でお弁当代わりで出ることはあっても添え物にはならないでしょう。
ギリ手羽先でしょうか。
いや、でもわざわざ別で用意することはないと思います。
それくらい山形県民の芋煮に対する思いは特別なのでしょう。
特に他の地域の人間の需要と地元の人の供給が合致するのが芋煮なのかも知れません。
でも自分の魅力には気づかないもので、普段東京にいる人間からすれば、むしろこれをもっと推してくれ!という名物もあります。
福島のいかにんじんとか。
あれはもう無限の酒の肴です。
ご存じない方はぜひ検索を。
素朴な味ですが、箸が止まりません。
きっと知らないだけで日本には無数の名物があるのでしょう。
ぜひ!落語会を主催する皆様!
お弁当とは別でタッパーにでもいいので隠れた名物を置いて下さい!
美味しければ他の町でも宣伝しますので!
あと私の魅力を自分で分かってないのでそれも教えて下さい!
いつでも師匠の独演会の添え物としてお邪魔いたします!
ではまた来月!

芋煮
お知らせ
三遊亭ぽん太落語ライブ~名作人情噺ドッサリやります編~
日時:12月3、10日(水)19時半開演(19時開場)
会場:池之端しのぶ亭(地下鉄根津駅徒歩3分)
料金:1000円

三遊亭ぽん太定例落語会
ぽん太ラボvol.57
日時:12月27日(土)14時開演(13時半開場)
会場:鈴座Lisacafe(地下鉄住吉駅徒歩7分)
料金:2000円、29歳以下割1500円、ぽん太初めて割1000円
予約:pontathe2nd@gmail.com

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- 三遊亭ぽん太
- 落語家
- 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて180席以上ある
- ぽん太さんのHP
https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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