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コラム

2021年12月29日

「同期の桜が散る…」~本紙読者投稿より

昭和の動乱時代を過ごした私たちは、戦争を抜きにして人生は語れない。楽しいはずの青春時代を、武器を持って人と人とが殺しあうという、残酷で悲惨な時代を過ごしたのだ。大勢の若者が人生の春に桜の如く惜しまれながら散っていった。

大正7年生まれの男子は、20歳になると国民の義務で徴兵検査を受けなければならない。甲種、第一乙種に合格すると、軍隊に入隊した。平時では2年で満期となる。

私たちは昭和14年の1月と5月、2回に分けて、現役兵として入隊した。このときの兵士たちを同期の桜と呼んでいる。

同期の桜は「三次」に別れて戦地に出征した。

一次の出征は1月に入隊した者たちで、編入、転戦を繰り返し、最後は南方の戦場に出征し、殆どの者が戦死したと聞いている。

二次出征、三次出征は5月に入隊した者たちで、同じように各地転戦を繰り返し、南方の戦場にて戦死した。

私を含む15名の兵士については、現役下士官候補者教育隊(学校)に入隊し、厳しい教育を受け、卒業後6名は他部隊へ転属した。残りの者は終戦、復員まで8年間、大陸の各地で転戦し、最後の大会戦参加中に終戦となる。あと1カ月終戦が遅れたら全員戦死していたと思われる。

昭和21年に浦賀に上陸、復員。8年ぶりに故郷の土を踏んだのである。
(香川県 K・Y)

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