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コラム

2021年08月13日

「九死に一生を得た喜び」~本紙読者投稿より

昭和19年支那での出来事、河南省において作戦行動中に起きた生死にかかわる36時間の戦いです。

私たちの分隊の装甲車両が河原においてキャタピラと誘導輪の故障で頓挫してしまい、前進不可能となりました。急きょ無線で整備中隊に連絡を取り、故障箇所や状況、及び救援を依頼したところ、明日昼過ぎになるとの返答でした。

私たち分隊は全員にて周囲の警戒に当たりました。50メートル前方に、100メートル間隔で歩哨を配置し、交代で夕食を済ませた後、装甲車両の偽装と野営の準備にかかりました。

夜11時過ぎ、歩哨より連絡が入りました。敵兵50数名に、300メール前方で周囲を包囲されたことが分かりました。各自遮蔽物に身を隠し、態勢を整えながら敵兵の動きを監視します。

夜が更けると共に気温は下がり、零度以下となってきました。苦しい、痛いを通り越し、体が動かなくなるほどです。

夜明け近くに、敵兵が30メートル付近まで接近してきて、そこで一斉攻撃が始まりました。約1間近く戦っておりましたが、敵兵の退去姿が見えましたので、こちらも攻撃を中止しました。周囲が明るくなってきて、分隊全員が無事であることを確認し、安堵しました。一時はどうなることか、全員戦死も考えておりました。

午後1時過ぎに整備隊及び救護隊が到着し、安心いたしました。故障箇所と部品の交換が終わり、夕方には出発することができました。
九死に一生とは、まさにこのことだと思いました。(神奈川県 H・I)

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