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2018年04月27日

萬田久子さん インタビュー(2)「若いころより生きることが楽に。これからの自分がすごく楽しみ」

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4月で還暦を迎える萬田久子さん。すらりとした体形も豊かな長い髪も、デビューのころから変わらない印象で、年齢を感じさせません。女優ならではの華やかなオーラを放ちながらも、バラエティ番組などで時折見せる飾らない素顔は、とてもチャーミング。60歳を前に、新刊『Age is just a number(エイジ イズ ジャスト ア ナンバー)! オンナのキレイ、秘密のTheory(セオリー) 』(KADOKAWA)を上梓(じょうし)。いつも生き生き若々しくファッショナブルな萬田さんに、人生を楽しんで輝くコツを伺いました。

前の記事「萬田久子さんインタビュー(1)「60代を元気に過ごすために50代最後の年に何かしておきたかった」」はこちら。

年を重ねてきて良かったのは、人と自然体で付き合えること

さらに「年齢に合った『きれい』を目指したい」と萬田さん。
「若返ろうとか、年齢に逆らおうということではなく、いまの自分だからこそ出せる魅力に磨きをかけるために、なるべく手間は惜しまないようにしています」。

美容と健康のためには、バランスの取れた食事や質の良い睡眠にももちろん気を配ります。そんな萬田さんの究極の健康法は、ファスティング(断食)です。撮影の日も、「前日まで5日間食べていないから、肌の調子がとても良くて」とのこと。

「少し食べ過ぎて怠惰な日々が続いたと思ったら、水だけで5日間生活するんです。その間、仕事やトレーニングは普段どおり。2日目がちょっとつらいけど、それを越えれば、体調も肌の調子も良くなりますよ。それに、6日目の朝のお粥のおいしいこと! でも人それぞれなので無理をしてはいけませんが…」。

健康に良いといっても、なかなかできることではありません。自分で決めたことを最後までやり抜く意志の強さがあってこそ、美しさをキープできるのだと納得しました。

新刊のタイトルの『Age is just number!』という英文は、「年齢なんてただの数字」という意味。萬田さんが敬愛する86歳の現役スーパーモデル、カルメン・デロリフィチェさんの言葉です。

「60歳といっても、実はそんなに意識していません。ただ、若いころと比べると、人間関係をはじめ生きることがずっと楽になったので、これからの自分がすごく楽しみ!」

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本の中で、萬田さんは、亡くなられたパートナーとの思い出についても率直につづっています。

「彼の七回忌を終え、何だか不思議な気持ちになりました。この人と出逢って、25年間も一緒に暮らしたのかと…。やはり年月を経たからこそ、あらためて2人の歴史を振り返る気持ちになれたと思います。彼のことだけでなく、幼いころからのことを思い出す中で、こんなに頑張ってきたんだと昔の自分がとてもいとおしくなり、パワーをもらいました」。

人からは、「いつも元気で楽しそう」と言われてきたという萬田さんですが、その人生は山あり谷あり。
「このまま立ち直れないのでは」と思うほど、悲しみの底に突き落とされたこともあったそうです。でも、大変なときこそ前を向き、背すじをピンと伸ばして一歩一歩進んできた姿が、本から浮かび上がります。

「生き方の一つのヒントとして、読んだ方が自分流に取り入れていただければ、うれしいですね」。

例えばパートナーを亡くした悲しみの中、墓石に彫る文字を自分で書こうと決め、1カ月ほど書道の先生の指導を受けた萬田さん。家でも毎晩2時間くらい、般若心経のCDを聴きながら練習したことで、気持ちが落ち着き、彼と一緒に生きてこられてありがたかったと心から思えるようになったそうです。悲しんでばかりいるより、自分が元気で明るく過ごしていた方が、きっと供養にもなるだろうと…。大きな悲しみを乗り越えたいま、以前より人のありがたみが心に響き、思いがけず新しい友人もできました。

「人生って、面白いものですね。考えてみれば、パートナーを亡くした後は、一人の人間として人と出会えるチャンスかもしれません」。

楽しく生きていれば、109歳まで元気に!?

年を重ねてきて良かったのは、人と自然体で付き合えるようになったこと。若いころは、自分の主張を無理に通そうと必要以上に肩ひじ張ったり、他人が求める「萬田久子」のイメージと現実とのギャップに苦しんだりしたこともありました。

「いまでは人の意見に素直に耳を貸せるし、それが自分を成長させてくれると感じます。あるがままの自分でいいと、やっと受け入れられるようになりました。私は大阪出身なのですが、東京やパリ、ニューヨークに憧れ、外へ出ていくことばかり考えていました。『好きやねん』より、『愛してる』『I love you』と言われたいなんてね(笑)。だけどいまは『好きやねん』が心に響きますね」。

もちろん女優である以上、「夢は、レッドカーペット」。いい仕事をするためには、ストイックに努力もします。それが、自分の〝元気〟につながると分かっているから。

「そうやって人生を楽しんでいれば、109歳まで生きられるだろうと思って本にも書きましたが、疲れた日には目標は99歳にしようかしら(笑)。なーんて、日替わりメニューの人生です」。


萬田久子さんの元気の法則

その4 バスタイムも無駄にしない。手首と足首のストレッチを

ストレッチは、若いころからの習慣です。湯船に浸かっている時間も無駄にしないのが、萬田さん流。足の指を開くよう、間に手の指を入れ、手首を回しながら足首もしっかり回します。新陳代謝が上がり、体が温まります。

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その5 こまめなスキンケアが大事。いつも持ち歩くものはコレ!

こまめなスキンケアを大事にしている萬田さんが、27年近く愛用している無添加のHABA化粧品。特にスクワランオイルは万能で、乾燥が気になるとき肌にも髪にも使えて便利。バッグの中に必ず1本入れて持ち歩くそう。

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取材・文/川島敦子 撮影(人物)/下村一喜(UM) 撮影(物)/高木昭仁 ヘアメイク/黒田啓蔵(Three PEACE)


この記事は『毎日が発見』2018年4月号に掲載の記事です


萬田久子(まんだ・ひさこ)さん

1958年4月13日生まれ。大阪府出身。78年、ミス・ユニバース日本代表に選ばれ、80年、NHKの連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」で女優デビュー。以降、ドラマ、映画、舞台、海外ドラマの吹き替えなどで活躍。きものもトレンドの洋服もさらりと着こなすファッションリーダーとして、そして”憧れの女性”として、幅広い層の女性たちから支持を集める。


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『Age is just a number(エイジ イズ ジャスト ア ナンバー)! オンナのキレイ、秘密のTheory(セオリー) 』

1,400円 KADOKAWA
還暦を前に、ますます美しさに磨きがかかる萬田さんが、これまでの半生を振り返りながら、「いまをすてきに生きるコツ」を伝えます。全7章からなる本書は、「美容」「健康」「おしゃれ」「人間関係」、そして「愛」についてつづられています。最愛のパートナーとの出会いと別れ、子どもへの想い、母への想い…、濃密かつ、素直で飾らない筆致が胸に迫ります。


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この記事は『毎日が発見ネット』に掲載の情報です。

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