コラム

三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!
第48回「寄席での披露目」

お盆過ぎたら夕方以降は秋の気配のする風が吹くものですが、まったく吹かないですね。
延長料金を払って欲しいものです。
さて間もなく9月ですが、えらく忙しい月となります。
七代目円楽師匠の襲名披露が落語芸術協会様のご協力を得て新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場の各寄席定席にて開催されるのですが、私も披露目の番頭としてほぼ毎日諸々のお手伝いさせて頂くため、なんとお出番を頂戴しました!
詳しい説明をすると長くなるのでざっくり言うと、我々五代目円楽一門会は寄席に出られないのでだいぶ異例のことになります。
私がすごい訳でもなんでも無く、芸協様とこの度芸協客員となられた七代目円楽師匠のお気遣いによるものです。
余一会という寄席の通常番組ではない31日にだけ開催される特別な一門会の時に出演したことはありましたが、定席となると完全に初めてのこと。
緊張する未来しか見えない…
豪華出演者の前なのでずっとプルプルしてそう…
末広亭も浅草演芸ホールもお客として行っていたので色んな思い出があります。
20代前半は新宿区民だったので、末広亭にはよく行ってました。
東日本大震災の数日後、心が落ち着かなくてさん喬師匠がトリの興行に行き、その時の幾代餅に感動したのを覚えてます。
復興へのメッセージというか、心が温まる思いでした。
浅草で特に覚えてるのは遊雀師匠がトリの時に、まったく知らない隣のおじさんが「面白かったな~」と言って魚肉ソーセージをくれたこと。
よかったですね~、と頂いた魚肉ソーセージでビールを飲むと、なんだか自分が落語の世界の住人に思えました。
浅草らしく他人との垣根が低いというか。
下町の人情味を感じた瞬間でした。
あとは大好きな大林宣彦監督の映画「異人たちとの夏」の冒頭、ガラガラの夜の浅草演芸ホールで主人公(風間杜夫)が、亡くなったはずの父親(片岡鶴太郎)が芸人をおどかすの見つけるシーン。
実は幽霊なのですが、そうとは気づきつつ仲良くなり…という超名作なので未見の方はぜひ。
バブル期のちょっと時代に置いていかれた浅草の空気がたまりません。
そしてなにせ今回の披露目は後幕は鶴太郎さんデザインです。
これはもう異人たちとの夏です。
そんな定席での披露目、この残暑に負けないくらいアツいものにしたいので、ぜひおいで下さい!
映画同様ガラガラなのは困りますので!
新宿末広亭はぴあでの前売り、浅草演芸ホールは当日券のみの販売。
ご来場お待ちしております!
お知らせ
三遊亭ぽん太ひとり会
吟醸~寄席ネタ磨きの会~その二
日時:8月30日(土)14時開演(13時半開場)
会場:ひらい圓藏亭(JR平井駅徒歩10分)
料金:1500円
三遊亭ぽん太定例落語会
ぽん太ラボvol.55
日時:9月27日(土)14時開演(13時半開場)
会場:鈴座Lisa cafe(地下鉄住吉駅徒歩5分)
料金:2000円、29歳以下割1500円、ぽん太初めて割1000円
予約:pontathe2nd@gmail.com
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- 三遊亭ぽん太
- 落語家
- 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて180席以上ある
- ぽん太さんのHP
https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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