コラム
三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!
第53回「面影」
あけましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
個人的に厄年なのでとにかく体調には気をつけたいと思います。
先日演劇を観に行ってきました。
好楽一門の兄弟子・錦笑亭満堂のエッセイが元になっている舞台『ウチの師匠がつまらない』。
兄さんの一代記で、我々もよく知る風景や人物が描かれていて楽しく観劇をしました。
師弟、家族、一門などの絆がテーマだったのですが、中でも師匠と同レベルで存在感があるのがおかみさん。
そのおかみさんなのですが、2020年にお亡くなりになっており映像資料なども無く(表に出るのは好きでなかったので)役者さんは動いてる姿は知らないはずなのに、ふとした時におかみさんに見える時がありました。
わーおかみさんだー、と本編と関係の無いところでちょっと泣きそうになったり。
ご迷惑おかけしました、と謝りたくなったり。
役者さんすごい。
私がこの世界に入って10年以上経ちましたが、お世話になった方が何人もお亡くなりになりました。
旅の仕事にたくさん連れていってもらった六代目円楽師匠、太鼓やこの世界のしきたりを教えて下さった四代目小圓朝師匠、大ネタをいくつも稽古をつけて下さった立川ぜん馬師匠など他にも幾人もいらっしゃいます。
たまに会いたいなぁ、生の落語聞きたいなぁと思うこともありますが、もう亡くなっているんですから土台無理な話で。
ですが今回擬似的におかみさんに会えたような気がしたのはとても不思議な感覚でした。
元になったエッセイから雰囲気が伝わったんでしょうね。
満堂兄さんの助言もあったでしょうし。
お世話になった師匠方の場合も直接会えずとも、その師匠に稽古つけてもらった人の噺を聞くと思い出すことが出来ます。
オリジナルのギャグや言い回しが似たりと。
あと師弟の場合、癖が似ます。
私も手持ち無沙汰になった時、うちの師匠がよくやる指を開いて両手を軽く叩く癖をやります。
変なとこ真似しがち。
古典落語が好きな人は過去の名人やその時代ののんびりとした空気が好きな人が多いように思います。
私個人も客席で聞いてた頃から、新しい工夫が入っていて大笑い出来るのも好きですが、懐かしさを感じる聞いててなんかよかったなぁと思える落語が好みでした。
過去の名人の落語を生で聞けなくても、現役の諸先輩方からそのエッセンスが感じられると嬉しくなります。
飲食店でも閉店してしまうと同じ味は食べられませんが、のれん分けしたお店で今は無いお店の求めてた味に近いものと出会えるのと一緒で。
昭和の名人を直接知る世代が減りつつありますし、どんどんその時代の空気を知る方から学び、昔の雰囲気がしてなんかよかったなぁと思ってもらえるようになりたいな、というのが今年の目標です。
今年一年で達成出来るわけではないので心構えとして、ですね。
昔とまったく同じは無理ですが、核となる部分だけでも伝わっていくのが伝承芸のいいところ。
少しは往年の師匠方を感じてもらえるよう努めますので、本年もお付き合い頂けますと幸いです!

師匠好楽の最初の師匠八代目林家正蔵師匠が得意にしていた牛すじ煮込みを再現したもの。本当は牛すじとネギと焼き豆腐だけですが、痛みかけてた人参と大根があったので一緒に煮ちゃいました。すみません…
お知らせ
定例落語会
ぽん太ラボvol.58
日時:2月21日(土)14時開演
会場:鈴座Lisa cafe(地下鉄住吉駅徒歩5分)
料金:予約2000円、29歳以下割1500円、ぽん太初めて割1000円
問合せ:pontathe2nd@gmail.com

この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。
- 三遊亭ぽん太
- 落語家
- 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて180席以上ある
- ぽん太さんのHP
https://pontathe2nd.amebaownd.com/
- 今注目の記事!































