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2021年12月20日

「遠いふるさと 思い出川の 水の匂いの 子持鮎」2021年12月入選作品|老友都々逸

老友新聞2021年12月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

遠いふるさと 思い出川の
水の匂いの 子持鮎

王田 佗介

身(み)全体に軽く塩を(焦げ易い尾ヒレには多めに)振って焼いた子持ちの鮎の味。味覚に「水の匂い」を鋭く感じ「思いふく出川」とロマンチックな膨らみの言葉を据(す)えてよい作品になりました。

地の位

為になること 次々習う
米寿 令和の中にいる

冨田 いつ子

齢(よわい)百を目指す日本女性にとって八十八歳はまだ八合目です。私も頑張ります。

人の位

出雲駅伝 メールで知らす
観たョ 観たョと 弾む声

手銭 美也子

ご当地もの。故郷や知人の居る地域がテレビに映った時のメールでの会話が息を弾ませるように表現できました。今年は青山学院大学の優勝でしたね。

十 客

自粛の中でも 編物進む
仔猫が絡(から)んで 毛糸玉

倉澤 登美子

作者は編物の先生・指導者。大勢の女性の中の仔猫が、まるで毛糸玉なのですね。

尽くす笑顔の 女房に感謝
男冥利に つきる幸

惣野代 英子

旦那様にこう思って居て欲しいお気持ちですね。充分そう思っていらっしゃる筈ですよ。

風よ吹け吹け 寒さよおいで
助けてくれる 人がいる

岡本 政子

「雨よ降れ降れ 風なら吹くな うちの親爺は船乗りじゃ」「風が物言や ことづてしょもの 風は諸国を吹き廻る」(坪内逍遥作「新曲浦島」の中の浜唄)。岡本さんの幸せ感がよく表れています。

世の中コロナで 埋まって居ても
山の紅葉(もみじ)は 真っ盛り

鈴木 とく

人の世の慌ただしさと自然界の悠々たる営み。

コロナコロナで がまんも二年
旅のかばんも時季遅れ

菊地 幸子

旅カバンにも時季があるとは、流石お洒落さんの心意気ですね。私は一生を一つの旅鞄提げてトボつきます。

うまいものなら まかせておくれ
酒に松茸 ぼたん鍋

岸 慶子

口のお正月。昔、肉類を口にせぬ時代でもぼたん(いのしし)鍋とか桜(馬肉)鍋とか蹴飛ばしとか称して滋養を採っていました。「酒に松茸」と来れば贅の窮み。丹波市の作者らしく別作に黒豆、山芋も詠み込んでいらっしゃいました。

やっと揃った 新政権の
賞味期限が 気にかかる

向井 智恵子

大臣連中を食べ物の賞味期限として身近かに引き寄せてしまい、愉快々々。

白髪姿は 勲章ですヨ
傘寿めでたく お出迎え

山田 浩司

傘は壁や塀に書かれれば相合傘のマークとなる。離して書けば「八十」。八十歳は当新聞愛読者ではまだ最若年のモテ期です。因にモテ期は3回来るそうですよ。

孫の結婚 お祝いはずみ
写真に残した 文化の日

藤本 洋子

文化の日は11月3日。明治天皇誕生日で昔は明治節とも呼びました。日本国憲法の公布日で、昭和23年から「文化の日」になりました。

老人パワーは あるわけないよ
無理したお方は 早く逝く

小林 良一

概ね、そうなのでしょうか?

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