老友新聞2022年5月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

雀親子が　転り落ちて
水場　餌場で　日向ぼこ

櫓木　香代子

長閑（のどか）な日本の風景ですね。

地の位

たまに会う人　マスクをかけて
知らぬ人かと　すれ違う

小林　良一

今年は例年以上に輪をかけて、そう感じますね。

人の位

雪の降る日は　雪見としゃれて
チーズつまみに赤ワイン

菊池　幸子

雪の多い御地でも雪見をなさるご様子。風雅な和洋のご興趣が偲ばれます。

五　客

遠い故郷　竹馬の友を
呼べば近づく　春の雲

王田　佗介

幼い頃の友の名を呼べば春の雲。これぞ故郷。

昭和の時代に　戻ったような
まさかの戦争　ウクライナ

藤本　洋子

毎日のテレビニュースに心が痛みます。まだ戦争を解決手段と考えている国々が在るのですね。

今日も脳トレ　たのしみ続く
湯呑み　寿司屋のさかな偏

冨田　いつ子

馴染みの寿司屋から届いた大振りの湯呑み。確かに脳トレになる程の字が並んでいますね。

こんな浮き世も　風土記の丘の
しだれ桜を　ぜひ見たい

惣野代　英子

常陸風土記の丘は桜の名所であり、私も一度伺ったことがあります。

戦争反対　平和を祈る
吊るす色紙も　星まつり

倉澤　登美子

日本各所に七夕まつりがありますが、今年ほど反戦を叫ぶことは、ここ近年余り無かったと思われますね。