老友新聞2023年8月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天

草刈の音に雲湧く筑波山

王田　佗介

筑波山は茨城県のシンボルとされる名山です。この山を眺めつつ草を刈っているのでしょう。リズム良い草刈の音に誘われるように山上に雲が湧いたのです。
この地に住む作者が誇りとする力強い山の光景です。

地

人ゆるる堤もゆるる大花火

田原　きよ子

見事にはじける花火、その雄壮な音、堤で見ている人達のどよめきなどが手に取るように伝わります。このどよめきに堤も加勢しているようです。

人

沙羅の花ひと日の白を終りたり

岸　慶子

一日で散る沙羅の花のはかなさを白という色で象徴した作品です。同じ白でもひと日ひと日違って見えることもあるでしょう。その今日の花の白が散ったのです。